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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (ねこ3.8匹)

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三上延著。メディアワークス文庫

珍しい古書に関係する、特別な相談―謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが―。(裏表紙引用)
 
ビブリア古書堂シリーズ第4弾。
 
わあ、今回のテーマは全部乱歩だ!ということでテンションあげあげ。タイトルは「孤島の鬼」「少年探偵団」「押絵と旅する男」となっているが、一応長編のスタイル。ある資産家の女性から、愛人であった乱歩コレクターの男が残した金庫を開けて欲しいという依頼が。乱歩マニアの栞子さんは意気揚々とその謎を解こうとするのだけど、なんとあの母親が接触してきててんやわんや。五浦さんはついに栞子さんにデートを正式に申し込むし、前回揉めた「ヒトリ書房」の店主が再登場して絡んでくるし、結構内容はてんこもり。ミステリ的には短編形式だった前回のほうが面白かったけど、人間関係は結構進展するのでシリーズの肝となる巻かも。あの母親、情もへったくれもない人間というイメージだったけど結局どうなんだろう。。でもやっぱり部外者からの「ホントは悪い人じゃない」っていうよくある言葉は好きじゃないなあ。悪い人でなかったら何してもいいのかって話だしね。娘より古書のほうを取ったわけで。
 
で、乱歩の色んな豆知識が入っていたのはやっぱり楽しかった。私なんかは何年度の何刷目がどうとか初版がどうとかかなりどうでもいいのだけどね。栞子さんはそれでも私なんかより数倍読み込んでいて内容にも詳しそうだけど。。
 
さてさて五浦さんの告白の行方やいかに。