すべてが猫になる

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あむんぜん  (ねこ4.3匹)

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平山夢明著。集英社。 

〈あむんぜんの頭の中身を見てみよう〉と、アックンに云われたのは体育祭が終わってすぐのことだった。――「あむんぜん」 “一発ウンゲロってみるか?”“うんげろって、なんですか?”――「千々石ミゲルと殺し屋バイブ」 アイドルヲタク・サブローが、己のすべてを懸けて“ヤブサカ69”の治安維持活動に励む!――「ヲタポリス」 この物語は絶望か、希望か。 全6話収録の短編集。 著者入魂、空前絶後の脳捻転小説。(紹介文引用)
 
平山さんの新刊。帯からしてスゴイな…。相変わらずぶっ飛んでるどころか、まだまだ進化しているあたり並の作家ではないことがわかる。
 
「GangBang The Chimpanzee」
獣缶動物園のチンパンジーに〇門を〇〇された営業マンのチンイチ。数度にわたる被害にも関わらず園長は責任逃れ、世間には批判の嵐。一篇目からすごい内容。そもそも名前……。息子に鼓舞されて自分で問題を解決しようとする熱い男の話ってことでいいのか。
 
「あむんぜん」
靴屋「あむんぜん」の息子のアダ名があむんぜん。昔交通事故で頭を大怪我してしまったあむんぜんだが、カツラを取るとフタのない海鮮丼のような脳が…そして目覚める超能力……。なんだこれ。特徴のある子どもがいると、必ずジャイアンみたいな子どもの餌食になるんだなあ。これはリベンジ成功ってことで喜べばいいのか。それにしても卒業証書欲しかったのか……。
 
千々石ミゲルと殺し屋バイブ」
はい、スカトロ、食糞。おげぇ。なんつうもんを描くんだ…。発想もそうだけど、こんだけ気持ち悪いものを描けてしまう精神力に私は脱帽だよ。。タイトルの意味が分からなかったが。おげれつながらも、底辺まで堕ちてしまった男女の絆を感じて少し感動してしまった。いいのかそれ。
 
「あんにゅい野郎のおぬるい壁」
タイトル……。ヤクザの下っ端の仕事ネタって必ずお下なんだろうか。。〇〇を煮詰めてドラッグを掻き出す仕事て…死んだほうがマシかもしれん。。キクチが連れていた少年と主人公「あなた」との信頼関係がいい。
 
「報恩捜査官夕鶴」
名前言い終わるのに2時間半かかるっていう最初のネタ、いる?(笑)。ブルーシートに入って事件を解決する美人捜査官「おつう」と、夫になったうだつの上がらない警視庁刑事。ブルーシートの中でまさか被害者の〇〇を舐めていたとは……。ツッコミは置いといて、なんかSF展開になったのは笑った。上司たちに復讐できて爽快……な、わけがない。
 
「ヲタポリス」
地下アイドルのヲタをしているサブローの精神崩壊物語……。かわどぷゅリン読みにくいぞこら。。〇〇〇を売れば再結成とかグミの1番人気のない色とかいちいちおもろいが、家族や他の人に迷惑かけまくってきた割に救いのある結末…の、ように感じられなくもない。
 
以上。
めちゃんこ面白いのは変わらず。更にパワーアップしてる気がする…。糞とか腸とかアイテムが汚いのに、いや、だからこそ登場人物がギリギリ必死で生きてるというか。時々、人と人の「愛」を感じられるんだなあ。この要素がないと、天下の集英社がよくこれを出したなってなると思うんだけど。