すべてが猫になる

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ガーディアン  (ねこ3.7匹)

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薬丸岳著。講談社文庫。

中学教師、秋葉が赴任した学校は、いじめも少なく問題を起こす生徒もいないが、長期欠席の生徒数が増え続けていた。元気だった演劇部員の一人が急に不登校になったことに違和感をおぼえる秋葉は、背後に生徒の「自警団」がいると耳にする。姿は見えず絶大な力を持つ、そのグループの実態と真意に、秋葉は迫れるか。衝撃の学校小説。(裏表紙引用)
 
うん…。まあまあ。。いつも通りサクサクと読ませてくれたし面白かったんだけど、二日前に読み終わったのかな~、既に内容が薄れつつある…。
 
ある中学では一時期から非行やいじめがなくなっていて、でも実はそれは生徒たちによる自警団「ガーディアン」の制圧によるものだった、っていうお話。それに気づきだした、赴任したての教師秋葉やある生徒の保護者が色々と探りを入れてその実態を暴いていくっていう。
 
いじめや非行がなくなるならばそれは理想だけど、それが恐怖政治によるものや個人に対する制裁が手段ならば間違っていると思う。結局また別の縛りを生み出してるだけだし、個人に個人を裁く権利はないからね。しかもこのやり方が(気に入らない奴や間違っている人間は暴力や脅しで排除しようという)社会に出て通用すると勘違いしちゃわないかな。
 
着眼点はいいのに内容が浅いかな。っていうのは、提示されているテーマに最初から結論が出ているからだと思う。薬丸さんと言えば、答えのない難しい問題に鋭く切り込む作風が得意のはずなので。
 
ちなみに夏目刑事が友情出演しているので(ほんの少しだけど)、ファンには嬉しいポイントもあり。