21.6.26再読。記事がなかったので初読時の日付で投稿。
若干ネタバレ気味なのでご注意。
貴族探偵シリーズの第2弾。
続編にして、主人公クラスの新キャラクターを登場させるという試み。本名不詳、この時代の日本になぜ貴族、という状況設定も不可解、そして推理を披露するのはすべて使用人という奇抜な作品で、それだけでも十分お腹いっぱいなのだが…。女探偵の高徳愛香が行く先々で必ず貴族探偵に遭遇し、推理を披露するも失敗、貴族探偵に毎回してやられる…という新パターンが加わった。
毎回付き合う女性が違うモテ男・貴族探偵。そして毎回のように貴族探偵を犯人だと名指しする愛香のダメダメっぷりが飽きずにおかしい。最終話でやっと独力で正しい推理をしてみせた愛香だが、実は貴族探偵に雇われていた=推理役の使用人に過ぎなかった、というオチがなんとも優秀。
この作品から7年経つが、続編はないのだろうか。麻耶氏は毎回違う挑戦をする作家なので、望みは薄いだろうが。現代において、「女探偵」という呼び方も問題視されそうだしなあ。