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深泥丘奇談・続  (ねこ3.8匹)

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綾辻行人著。角川文庫。

もうひとつの京都―「深泥丘」世界へ誘拐されてみませんか?妖しい眩暈とともに開く異界の扉。誰もいない神社の鈴が鳴り響き、甲殻類の怨念が臨界点に迫り、町では桜が狂い咲く。超音波検査で見つかる“心の闇”、霧の日に出現する謎の殺人鬼、夜に蠢く異形のモノたち…ありえざる「日常」が読者を包み戦慄させ、時には赦し解放する。ほら、もう帰れない。帰りたくない―!名手が贈る変幻自在の奇想怪談集。(裏表紙引用)
 
20.4.5再読。記事がなかったので当時の読了日付で初投稿。
 
名前のとおりの続編。主人公は変わらず、眩暈や幻覚などに悩み深泥丘病院に通う地元の男性。前回の登場人物「石倉(一)」「石倉(二)」、咲谷看護師、奇術師、主人公の奥さんなどはまた登場するも、前回ほど前面に出ていない感が。読者としても彼らの不思議さには慣れた。
 
お話は10編収録されていて、前作以上にバラエティに富んだ感じに。誰もいない神社で鳴る鈴、主人公の記憶にある不気味なカニ、同窓会での不思議な現象、エコー検査に写った「心の闇」、主人公にしか見えないムカデの幽霊などなど。ネコネタも多いかな。カニネタも結構しつこい(笑)。ホラー映画を見立てた連続殺人事件では主人公が刑事になっていたり。これだけ浮いてると思ったらやはり、牧野修のエッセイ本に書き下ろしたものだそう。映画「ソウ」をいじった話もあり、なかなか私好み。最後は塔が崩れたり巨鳥が暴れたりと(妄想かな?)なかなか壮大。
 
こういうものは次作ではい全部謎が解けて、、というものではないと思うので、このまま雰囲気を楽しめばよろし。