すべてが猫になる

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生ける屍の死 (ねこ3匹)

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創元推理文庫


言わずと知られた本格ミステリの傑作。
89年発表のデビュー作だそうで。


ニューイングランドの片田舎で、死者が相次いで蘇るという奇怪現象が起こっていた。
霊園経営者一族に降りかかる殺人事件。死者が蘇るという状況で、殺人を行う理由とは?
死者となったグリンは、その事実を隠し真相を追う。


えーと、皆様、この現在でも読み継がれている大傑作のねこ数の少なさに驚かれたでしょうか。。。。
すいません、ケンカを売りたいわけではないので、現時点で不快に感じられた方は
読み飛ばし下さいまし。戯れ言ですゆえ。ちなみに、ネタバレ少し。↓





念のため。
何が凄いのかは理屈でわかります。(何様)
翻訳もの風の洗練された文体、センスある会話、シャレた登場人物達、密室殺人に
毒殺トリック、さらに「死者が蘇る」という奇抜な設定下、本格推理のルールに
乗っ取り勝負、そしてこの驚愕の動機。完璧でございました。
さすがというか、これがデビュー作かと思うとのけぞる完成度ですな。
当時はさぞ画期的だったことでしょう。

しかし。

コミカルなものが苦手なので、そこがネックでした。あと、哀しい結末は辛いです。。。
自分はUS,UKパンクロック全般を掘り下げて聴いてきた人間なので、
セックス・ピストルズ」というモチーフがあまりにもベタすぎて抵抗があったわけでして。。
章ごとに引用している曲も、うーん。なんだかな。。。

最近、西澤氏と浦賀氏を読みすぎていたのが悪かったようで。。。。
作品としてのクオリティが、「好み」の前には立ちはだかれず。
そこまでの力は本作からは感じられなかったというのが正直な感想です。

リアルタイムで読むべき本はたくさんあります。いい勉強になりました。

不快に感じられた方はご容赦下さい。。。