すべてが猫になる

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実況中死 (ねこ3.4匹)

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講談社文庫。

注目の?チョーモンインシリーズ第2弾です~。

夫の浮気現場を目撃した後に落雷を受けた素子は、以来他人の見た風景がそのまま見えてしまう、
という能力を持った。その風景は、ある特定の人物のストーカー、殺人行為だった。
悩んだ素子の訴えに、神麻嗣子、能解警部、ミステリ作家、保科が調査に乗り出すが……。


今回は、わりとどこかで聞いたような超能力が登場。かと思いきや、見る側=ソウル、
見られる側=ボディ、という名称付けに加え、ソウルにボディが見える時にはある条件
が必要=デコーダー、という謎、までかかわり一筋縄ではいかない様子。
(詳しくはお読みいただいて……)

保科さんのファン達が彼を招いたオフ会を開き、素子との二重構成?で物語は進みます。
ミステリ作家、保科さんがスポットを浴びているところから、やたらミステリ界の
内輪ネタが多く、はっきりいってこれは削っていただきたかった、半分くらい。
多少なら私だってミステリファンのはしくれ、喜びますけどね。

今作もきっちり、何重もの謎がかしゃんかしゃんと繋がり、見事でした。
そして、本文中の蘊蓄にもあった「今はミステリファンは使用人から記述者から探偵から
果ては動物、路傍の石までも疑う、だから意外な犯人なんてもう不可能だ」ーーー
これがちゃんと生きてますな、うん。
切り口次第で騙すことはできるんだと証明しましたね。

一つ、読んでてずっと関係ないことが気になってしまったんですが。
保科さんって、異性から見てそんなに魅力を感じないんですけど。。。
やたらモテるのが不思議で仕方なかったです。好みか?好みの問題なのか?


あ、あと、私、なんで萌えないのかなんとなくわかりました。
保科さんのせいです。
読者のかわりに、かわいいかわいい、セクシーセクシーと連発してくれているからです。
こっちがそう思うヒマがない。
そういえば、自分は「アイルランドの薔薇」のフジも、氷川透も、登場人物が誉めまくるので
すげ~かっこいいとは思ってもどこか冷めていたんでした。

と、自己分析。


う~ん、なんかこういう余計なことに始終気をとられた作品でしたな。