伊坂幸太郎著。角川文庫。
「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。 どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。 鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。 それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。 疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!(裏表紙引用)
22.3.24再読書き直し。
文庫で再読。
悪人ばかり出てくる小説だったよなあ、あまり自分は評価してなかったけど面白かったような。。というぐらいの記憶だけがあった。当時と今でそれほど心境の変化はなく、今言った通りのあほっぽい感触だけが残った気がする。そもそも悪人が主人公の小説は苦手なので、そこは昔から変わっていないのである。伊坂作品では避けて通れないのだが。。その中でも、比与子という悪女の存在が強烈に不快だったもので。
しかし疾走感、先の読めなさ、全ての登場人物が最後一堂に会する最終章、思わせぶりな台詞や小道具が最後に繋がる快感はこの作品が1番ではないだろうか(ここまで再読してきた中で)。伊坂氏のテクニックが上がってきているということなのだろう。