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豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件  (ねこ3.8匹)

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戦争末期、帝國陸軍の研究所で、若い兵士が倒れていた。屍体の周りの床には、なぜか豆腐の欠片が散らばっていた。どう見ても、兵士は豆腐の角に頭をぶつけて死んだ様にしか見えなかったが―?驚天動地&前代未聞&空前絶後の密室ミステリの真相は!?ユーモア&本格満載。猫丸先輩シリーズ最新作収録のミステリ・バラエティ! (裏表紙引用)

 


倉知さんの新刊は6編収録の短編集。猫丸先輩もあるよ。

 

「変奏曲・ABCの殺人」
クリスティ作品のパロディかな。通り魔殺人事件を企んだ男の顛末をおもしろおかしく。リアリティは全くないけど、「そうしたい」と思うだけの人間ならたくさんいそうでちょっと怖い。

 

「社内偏愛」
会社が社員を管理するコンピューターを導入。コンピューターにえこ贔屓されて社内の立場が困ったことになっている男の話。あの女性、もっとちゃんと話を聞いてあげればいいのに、と。星新一ぽいオチだな。

 

「薬味と甘味の殺人現場」
パティシエを目指していた女性がマンションの一室で口にネギを突き刺された状態で死亡していた。枕元のケーキはともかく、ネギを突き刺した理由がカオス。

 

「夜を見る猫」
会社を休み祖母の住む田舎へやってきた由利枝は、飼い猫のミーコが毎晩同じところをじっと見つめていることが気になって仕方がない。殺人が起きてるのにほのぼのしているところは倉知さんぽい。

 

「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」
帝国陸軍特殊科学研究所の実験室で死体が発見された。被害者の頭部には豆腐がぶちまけられていたが。
設定が特殊で読みづらすぎる・・・。わけのわからない講義も、わざと読者をケムにまいたのだとは分かるが…。とにかくしんどくて真相はどっちでもいいかなあという気分に。表題作だから期待したのだが。

 

「猫丸先輩の出張」
衣料品メーカーに勤める浜岡くん、会社が開発した新素材を受け取るために研究所へ。そこで着ぐるみのバイトをしていた猫丸先輩と偶然再会したが。水の入ったバケツの真相には驚いた。やはりこのシリーズが1番面白いかなあ。


以上。
まあ、普通だったと思うけど(倉知さんには高い要求をしているもので)、猫丸先輩ものが読めたから良しかな。ユーモアミステリという点では倉知ワールド全開と言えるけど、ちょっと奇をてらいすぎたものも。あまり作風は変えて欲しくないというファンのわがまま。