すべてが猫になる

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つぶやきのクリーム  (ねこ3.9匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

 

何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである―。けっこう当たり前なことのなかに、人生の大きなテーマは潜んでいるものなのだ。小説家・森博嗣がつい誰かに教えたくなって意外に真面目に綴った、世界の見え方が変わるつぶよりのつぶやき一〇〇個。 (裏表紙引用)

 


とうとうエッセイにまで手を出してしまった。メインシリーズの系統かどうかしらんけど読んでないシリーズあるのにな。エッセイも森さんの小説の研ぎ澄まされた無駄のない飾り気のない文章そのまんま。著者名伏せても誰が描いたかわかるんじゃないかな。思考が実に独特だもん。2ページちょうどの文量、それが100個。目次読むだけでも面白いし、ハッとなるものもあると思う。なんなら目次だけでもいいかも。

 

もちろんそのどれもに頷けるわけではないしそれが当たり前なのだけど、こんなに頭がいいと世の中に疲れたりしないんだろうかとちょっと心配。性格的に気になさらないんだろうけど。エッセイに頻繁に登場する奥様は森さんとは正反対の性格っぽくて、だけど愛情こもってるのが伝わるのがいいな。人によっては耳の痛くなるものや逆に救いになるものもあるかも。

 

「天気予報は当たらないというが、これよりも当たる予報ってあるか?」
「英語がしゃべれなくて困ったことはないが、日本語が通じなくて困ったことは数知れない」
などなど。面白いでしょ。(あ、引用したら森さんに怒られるか)