すべてが猫になる

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今日を忘れた明日の僕へ (ねこ3.8匹)

黒田研二著。原書房


事故に遭った「僕」は、ある日を境に記憶を1日しか蓄積できない病気になってしまう。
「僕」はその失われる記憶を留めておくために日記をつけ始めた。
親友の失踪、女子高生の投身自殺、そして取材と称して接近して来る女性。
ある日、失踪した友人が血まみれで死んでいる姿が脳裏に浮かんで来た。僕が殺したのかーーー?



「僕」への手紙挿入を別にするなら、先日読んだ「霧の迷宮から君を救い出すために」に
酷似した内容でした。主人公に変わった病気を持たせる設定、スピーディーとは言えない
までもテンポのいい展開、二転三転するどんでん返しは全て口述、少し常軌を逸した
クライマックスーー。
ああ、好みだ。。。

真相が想像範囲だからこそ裏切らないのがいい。
スピード感がないから混乱しないのがいい。
「僕」が行動しない分繊細で情緒豊かなのがいい。
意外性がないのにリアリティがある心理描写がいい。
驚愕しないけど伏線の多さに驚くからいい。

ああ、いい~~~^^;。

そしてこの素敵なタイトルにねこ5匹です。