すべてが猫になる

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晴れ時々、食品サンプル  (ねこ3.8匹)

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ショッピングサイト“ほしがり堂”を経営する深町ユリオは、古い家電や顔ハメ看板など、ガラクタにしか見えないモノをほしがるマニアックなコレクター。しかしそれらに価値を見出しお宝として売り捌く彼は、名探偵でもあった!食品サンプルコレクターの告別式で食品サンプルがばらまかれた謎など、全5編を収録。謎解きもお宝にまつわる雑学も楽しい、ポップな連作ミステリ。(裏表紙引用)

 

 

ほしがり探偵ユリオシリーズ第2弾。元々こっちが読みたかった本。相変わらずの安定感という感じ。

 

「馬のない落馬」
カウボーイルックで死んでいたカフェ経営者の謎。勝手な動機だなあと思うけれど、死者と心で繋がっていた少年とのやりとりが良いお話。所有するだけが物の価値じゃないのね。

 

「判じてモナムール」
新雑誌のライターを頼まれたさくらは、判じ絵ネタでブレイクしたコンビ芸人の片割れを取材することになったが、コンビ芸人の住むマンションでストーカー女性の死体が発見された。殺す以外の方法いくらでもあるだろうに。。出処進退は他人が決めることではない気がするが。

 

「神の手、再び」
大学研究室の関係者が古墳の呪いで次々と死亡?プライドが過ぎるって怖いなあ。人を殺したら本末転倒なのに。ラストの犯罪者の哀愁は良き。

 

「ほしがり vs 捨てたがり」
ユリオたちと同じマンションに住むライターの女性が、捨てた元夫の死体が出現したから来てくれと言うのだが…。ミニマリストも結構だけど、カーテンや布団まで処分するあたり「世にも奇妙な物語」でやれそう。マンション内で色々人間関係やらトリックやらが錯綜してて面白い。

 

「告別式に、食品サンプルの雨が降る」
食品サンプル収集家の告別式で参列者が食品サンプルのブローチをつけるって面白いな。参列したいかも。。何度も棺を戻される故人気の毒^^;香典泥棒騒ぎやら食品サンプルばらまきやらと派手でちょっと可愛い事件であった。殺しものではなかったし。

 

以上。

 

前作に比べて殺人事件の比率が高かったような。でもユリオののほほんとした探偵ぶりは健在。ほしがりに対して一貫したポリシーがあるのがやはり魅力だな~。