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キウイγは時計仕掛け  (ねこ3.7匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

 

建築学会が開催される大学に、γの字が刻まれたキウイがひとつ届いた。銀のプルトップが差し込まれ手榴弾にも似たそれは誰がなぜ送ってきたのか。その夜、学長が射殺される。学会に参加する犀川創平、西之園萌絵、国枝桃子、海月及介、加部谷恵美と山吹早月。取材にきた雨宮純らが一堂に会し謎に迫るが。(裏表紙引用)

 


Gシリーズ第9弾。

 

今回は建築学会で発生した銃殺事件を扱う。学会ということで、登場人物ほぼ勢揃い。もちろん加部谷さんと雨宮さんが中心となってはいるが、萌絵と犀川先生の登場率高しでもうこれS&Мシリーズじゃないのかという雰囲気。端正で無機質な世界観を、雨宮さんの方言がぶち壊しにしている感じが区別になっているかな(笑)。

 

いつものごとく、いやいつも以上に動機や届いた手榴弾ふうキウイの謎や犯行方法は明らかにならない。まあ、γキウイについては特に、シリーズ全体の謎ってことだろうから別にいいんだけど。それよりも今回は萌絵の心の変化に注目したい。シリーズ開始当初はノリノリで事件を解決するために勤しんでいた萌絵が准教授となり、あのころを「懐かしい」と言うようになった。寂しいが、明らかな成長。すっかり大人の女性になっちゃって゚(゚´Д`゚)゚。国枝さんもインタビューに常識的に答えるシーンがあったりとちょっと今までとは違う素顔を見せる。

 

Gシリーズ関連のキャラクターで言うと、加部谷さんと海月さんの関係性の進展...というほどのものは何もないが、まあ相手が打っても響かない海月さんではしょうがない。加部谷さんの研究発表の質問のくだりとかを読むと両思いっぽいけどなあ。でも手作りのカップはやめようね、加部谷さん。

 

さて、あと2作でGシリーズは大詰めを迎えるとのことだがどうなるだろうか。終わらない気がしてならないのは私だけか。