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任侠病院  (ねこ3.7匹)

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今野敏著。中公文庫。

 

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、所帯は小さいが、世の中からはみ出た若い者を抱えて、天下に恥じない任侠道を貫いてきた。ところが最近、一部の地元民から暴力団追放の動きが起こり、めっきり肩身が狭くなった。そんな中、今回、組長が持ち込んだのは病院の再建話。日村は、個性豊かな子分たちと、潰れかけた病院の建て直しに奔走するが…。笑いあり涙ありのおなじみ「任侠」シリーズ第三弾!(裏表紙引用)

 


今野さんの任侠シリーズ、第3弾。第2弾を読んだのが前すぎて登場人物を1人も覚えていなかったが、困ることもなくすぐ話に入り込めた。

 

今回組長の阿岐本は、経営が傾いている総合病院の立て直しに尽力を尽くす。ナンバーツーである日村はまた組長が面倒くさいことを言い出したと迷惑がる。実際病院へ出向いて問題点を指摘し次々と改善していく阿岐本。理事になったりね。まあ今野ものの定番の展開なのだけど、阿岐本組の力でどんどん受付の人や事務員、看護師までが働くことに対しての意識を変えていく。確かに、汚い病院や薄暗い病院へは行きたくないな。。。綺麗な病院=いい病院とは限らないけど(経験談)。でもやっぱり自分や部屋を綺麗にしていると気合いが入るし生活や人生に張りが出るし意識が高くはなるよね。

 

とは言え阿岐本組を邪魔する勢力というのが次々出てくるわけで。でもやはり阿岐本の弁舌には敵わない。変な小細工する連中を言い負かすシーンはスカっとする。最後は結構あっさりしててアレ?って感じだけれど、ほのぼのしてて真っ直ぐで、文句の付け所のない安定感。そしてイラストがカワイイ。今野もののイメージにピッタリかも。これで佐々木譲みたいな表紙だったら「騙された!」って思うだろうからね。。。

 

続きは出てないのかな?