すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

あまからカルテット  (ねこ3.5匹)

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柚木麻子著。文春文庫。

 

女子中学校の頃から仲良し四人組の友情は、アラサーの現在も進行中。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子は、それぞれ容姿も性格も違うけれど、恋に仕事に悩みは尽きず…稲荷寿司、甘食ハイボール、ラー油、おせちなど美味しいものを手がかりに、無事に難題解決なるか!? (裏表紙引用)

 


柚木さんの「白いほう」読んだ。「ランチのアッコちゃん」系かな。先に各編の感想から。

 

「恋する稲荷寿司」
ピアノ講師の咲子が恋をした。残された美味しい稲荷寿司を手がかりに、仲良し4人組が協力して咲子の恋を叶えようと奮闘するお話。とにかく稲荷寿司が美味しそうだった(*´Д`)。ミステリ仕立てになっているのに驚き。

 

「はにかむ甘食
料理が得意な由香子は、レシピブログが人気となり、出版社に勤める友人薫子の伝で本を出版することになったが――。ほんと、掲示板って嫌らしいなあ。そんな書き込みしてる暇があったら本の1ページでも読んだり英単語の1つ2つでも覚えれば?と思う。ところで私はマドレーヌのほうがしっとりしてて好き。

 

「胸さわぎのハイボール
美容部員の満里子は、システムエンジニアの彼氏とうまくいっていない。彼の学生時代の女友だちが怪しいのだが――。男女の友情が成立するかどうかは永遠のテーマだと思うが私は満里子の考えに近い。自分の経験からそう思う。しかしこれは意外な展開だったね。柚木さんは決して甘甘ではないってことか。ラストの合唱シーンは良かったなあ~。ビバ友情。

 

「てんてこ舞いにラー油」
結婚後の薫子は引越しに仕事にてんてこ舞い。ある日部屋のノブにかかっていたラー油が事件を起こす――。ウチは幸運にもこういうの近所ではないけど(あくまで近所では)、こういう近所付き合いうっとおしいと思うタイプだから気持ちはわかる。現実こんな優しい真相ではないと思うけど(奥様方の問題のほう)。

 

「おせちでカルテット」
料理の苦手な薫子のために、仲良し4人組がおせちを持ち寄る!はずだったが――。次から次へと降りかかる問題にハラハラ。家にあるもので作れるってすごいな。理由がなかったら絶対ウチではこんなおせち許されないことだけどそれは置いといて素直に感心する。
職場に閉じ込められた満里子パートがちょっと、「こんなこと言うやついる?社会人で?」ってぐらいおかしかったから入り込めなかった。繋がった電話の先のあの人も、いきなり相手にあんなこと言えるって変じゃない?100歩譲ってそれはいいとしても、本当に放置したら何らかの犯罪に抵触すると思うんだけど。でもまあ終わり良ければすべて良しかな。


以上。
実は自分にも、中学の頃から変わらない仲良し4人グループってのがいる。おそらく一生の友だと思う。だからこそ、このあまから4人組はちょっと私の感覚とはズレていた。自分がガラが悪いのを差し置いてナンだが、このキャピキャピしたリア充のノリが読んでいてキツい。自分の足でしっかり立つ=絶対的な正義の方程式。年齢が近かったらもっと共感したかもしれない。はい負け惜しみ。