小島正樹著。双葉文庫。
殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる―。精緻に組み立てられた謎と、驚愕の結末に感嘆必至の長編ミステリー。（裏表紙引用）
文庫化の順番がおかしい。３、４番目が文庫化されず、この５番目が文庫化とは。おかげで海老原のキャラクターが全くわからなかった。しかし、調査によるとワタクシこのシリーズ１冊読んでいるらしい。ビックリ。全く記憶にないどころか今まで小島作品を５冊も読んでいた自分に驚きすぎた。この作家さん、なぜか私は何を読んでも全く心に残らないようだ。それなりに読んでいる間は面白いと思っているんだが。
現代版「犬神家」、島田荘司の後継者、の看板を否定する気はないが、犬神かどうかは雰囲気だけだし島田御大に比べたらトリックが大仰すぎるという点以外に感心する要素がない。伏線はあからさますぎるし。脚立のアレとか私の頭では全然絵が浮かばなくて途中からわからなくなった。。。６つの怪談、３本腕の男、緑色に変色して死んだ女、頭蓋骨から現れた女性などなど、怪異好きにはよだれものの題材ばかりなのは楽しかったが。
探偵役の海老原のギャグがことごとくスベっているのもいかがなものか。塀専門雑誌「月刊Hey!塀！Hey!」とかハットリくんとかいちいちイライラするんですけど。。。軽いだけじゃなくて深みを持たせようと演出しているあたりも私には逆効果だった。
うーん、いや、評判は悪くないし読みやすいし面白いんだが。合わない。
