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赤い月、廃駅の上に  (ねこ2.5匹)

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有栖川有栖著。角川文庫。

 

廃線跡、捨てられた駅舎。赤い月が昇る夜、何かが起きる―。17歳の不登校の少年が一人旅で訪れた町はずれの廃駅。ライターの男と待合室で一夜を明かすことになるが、深夜、来るはずのない列車が不気味な何かを乗せて到着し…。(『赤い月、廃駅の上に』)温泉地へ向かう一見普通の列車。だが、梢子は車内で会うはずのない懐かしい人々に再会する。その恐ろしい意味とは。(『黒い車掌』)鉄道が垣間見せる異界の姿。著者新境地のテツ怪談。(裏表紙引用)

 

 

有栖川さんの、初怪談集。しかも、鉄道をテーマにしたものばかり集めた怪談ということで一風変わっているなと。表紙絵もタイトルも綺麗だし、有栖川さんの情緒あふるる文章と雰囲気がなんとも言えない美しい作品ばかり。しかし、まあ、どれも平均的というか。ぶっちゃけ全然面白くはなく、新聞読んでるみたいななんの感情も感慨も湧かない読書になってしまい。本格ミステリじゃなくても面白ければそれで良かったのだが。文章は好きな作家さんなので今回は残念としか言いようがなく。評価の低い作品ではないので好きな人は好きなのではないかな。怪談と言ってもそれほど怖くはない。

 

まあそんな中でも印象に残ったのは「黒い車掌」かな。進むほどの車掌の制服が黒くなっていくというのが不気味。表題作も、なかなか派手だったのではないかな。あまり書く事がないや、以上^^;。