ぼくはオス猫のナナ。5年前にサトルに拾われ、幸せにくらしてきた。事情があってぼくを手放さなくてはならなくなったというサトルは、引き取り手をさがすため、銀色のワゴンに乗って旅に出る。サトルとぼく、ひとりと一匹が出会う、素敵な風景、なつかしい人々。そしてついにぼくらの最後の旅が始まる――。
だ~~~~~~~~~~(ToT)また有川さんにやられた…これで泣けない人がいるかよってなものでハンカチ必須の人間と猫の感動友情物語。猫大好き、猫命!な主人公のサトルと、ちょっとニヒルでカッコイイ元野良猫ナナの最強コンビ。事情でナナを飼えなくなったサトルが、ナナの引き取り先を探すために知り合いや友だちの間を渡り歩くお話。
最初は、野良に毎日餌をやるサトルや無職になったからってまずペットを手放そうとするって軽率すぎないかとかなんと無責任なんだとか思っていたんだけど。そういうことをまず思う自分がなんて意地悪だったんだと恥ずかしくなるその想いと重大すぎる事情。
会いにいく人たちは皆いい人ばかりで、ここの誰にナナが貰われても大丈夫だろうって思えるのだけど。それでも先住ペットと相性が悪かったりなんやかやで諦めなくてはいけなくなる。でも、それも全部ナナがサトルを想うがゆえの行為だったりして。そしてそして、サトルはもちろん、友人たちの人生にも色々あって、それがやるせなかったり。うん、猫も人間も何があろうと頑張って生きている。
余談だけど、物語中に出てきた、ラジオで本を熱く紹介する「コダマさん」に笑ってしまった。間違いなく児玉清さんのことだよね。こういうのも嬉しいな。