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我が家の問題  (ねこ3.8匹)

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夫は仕事ができないらしい。それを察知してしまっためぐみは、おいしい弁当を持たせて夫を励まそうと決意し―「ハズバンド」。新婚なのに、家に帰りたくなくなった。甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻に感動していたはずが―「甘い生活?」。それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。(裏表紙引用)

 

 

奥田さんは色々な作風で小説をお描きになる方だ。野球もののエッセイとかは手を出さないけれどこういう家庭問題を扱った軽めのほのぼの小説系は大好き。前回の「家日和」がとても良かったので期待して読んだが、期待通りのものだった。

 

甘い生活?」
いきなりだが、一番主人公に同調した作品がこれ。しかも、夫のほうに(笑)。新婚で、奥さんが出来すぎてて居心地が悪くて帰り辛いというお話なのだが。結婚してプライベートな時間がなくなるってのは物凄くわかるなあ。子どもがいたり共働きだったりは別として、奥さんのほうは夫が仕事に行けば1人になれるけれど、夫ってほんとに1人になれないよね。ウチはお互い譲れない趣味があるので、結婚前からプライバシーは大事にしよう的なノリで結婚したから、お互いの私室を作ったので恵まれていると思う。でもやっぱ、大音量で旦那が好きそうじゃないCD聴くとか、部屋を暗くしてホラー映画を観たりとかは1人じゃないと出来ないもん。気にせずやればいいんだけど、そういうことじゃないのよね^^;完全に1人じゃないと楽しみきれない。って自分の話になったけど、こういう奥さんだと私も辛いわ。占い信じきってるところとか思い出作りに必死なところとか^^;最後の大喧嘩は微笑ましかったなー。

 

「ハズバンド」
夫が仕事が出来ないことを知った妻の心境ってきついだろうなあと思いながら。それだけで終わらず、なんとか夫を楽にさせてあげようと主婦らしいことで頑張る奥さんに好印象。専業主婦で、いらないと言われていないのに今までちゃんとお弁当作ってなかったのにちょっと驚いたけど。。って自分もたいしたもん作れてないが。

 

「絵里のエイプリル」
高校生の絵里がたまたま知ってしまった、両親の離婚。おバカな弟もいるし、1人で抱え込んでしまう絵里。学校の友だちにこういうことを相談出来るのがすごいなとイヤミじゃなく思ってしまった。ウチも両親離婚したけど、誰かに言うって発想がまるでなかったので。きょうだいがいい関係だったし、子どもに今出来ることはないっていうくだりも現実的でいいなと思った。

 

「夫とUFO」
夫が突然、UFOを見たとか色々おかしな事を言い出したら。。。子どももいてこの状況、自分だったらごめん、「人生詰んだ」と思ってしまうかもしれない。この奥さん、散々悩むんだけど、どうして夫がそうなったかを知ってからの行動に本当に感動した。あっさり正体バレてるあたりも(笑)

 

「里帰り」
妻は名古屋、夫は北海道。お盆の帰省って大変なのね^^;ウチはどっちも大阪だし、義実家徒歩7分だし、ウチはもう実家がないからこういう大変さって本当には分かってあげられない。ウチは義両親が本当にいい人だし気も使わないけど、でも、それでも正月はめんどくさいなって思うよ^^;よそはもっと大変なんだろうなーって。このお話については美談だし、リアルにこんなことあるかいな!って批判する気はないけれど。。。でもよっぽど運がいいんだと思うな。あとお互いの人柄ね。

 

「妻とマラソン
夫が直木賞作家で、経済的に困らないからパートに出る理由もなく、子育ても一段落してて、ご近所さんとは生活レベルが違ってしまって友だちもいない妻。そんな妻がマラソンにはまるというお話。え、マラソンにはまるって素敵なことじゃないの~。としか思わなかった^^;最終的には家族一丸となって応援して、とってもあったかいお話だった。このお話で終わって良かったなあ。

 

以上。独身の時に読んでいたら感想あっさりしていただろうなと(笑)。なんか色々感情移入してしまい、読んで良かったと心から思った。1編目とか、旦那に「こういうお話を今読んでるんだけど、どう思う?」とかインタビューして盛り上がってしまったわよ。