すべてが猫になる

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夜の終りに/Chase  (ねこ3.5匹)

ディーン・R・クーンツ著。扶桑社ミステリー文庫。

 

ある夜、異常犯罪者に襲われた少女を救った青年チェイス。彼はヴェトナムで傷つき、ただこの田舎町で平穏な生活を送ることだけを望んでいた。そのチェイスのもとに謎の男から夜ごと電話がかかりはじめる。堕落した若い連中を見つけ出し、彼らに罰を下しているのだ、と男は言明した。そしてその自分の行為に邪魔が入ったことに腹をたて、こんどはチェイスに対して報復するという―。姿なき殺人者の挑戦は続く。チェイスの身辺を監視し、自動車に爆弾を仕掛けてきた。社会と権威に対する不信を抱くチェイスは、自分一人の力で“ジャッジ”と対決することを決意した―。鬼才クーンツが、時代の病理を鋭くえぐった、サスペンス・ハードロマン。


ベトナム戦争による後遺症に苦しむ主人公が、狂った殺人鬼に命を狙われる――。チェイスに執拗に脅迫電話を掛け、それを実行する男の正体は?という典型的ホラーサスペンス。主人公が戦争で女子供を殺した記憶が生々しい。普通の平穏な生活を望むチェイスだが、戦争の英雄に祭り上げられた矢先に殺人鬼から女性を救ってしまい、またしても彼の安定を脅かす。

 

いやまあ、いつも通り面白いんだけど~。やっつけ仕事っぽいな^^;設定は頑張ったのになあ。殺人鬼も徐々に化けの皮が剥がれて、当初ほどの異常さは感じられない。てか、こいつどんくさい。殺人鬼を名乗るにはまだ10年早いって感じ。意外なところと言えば、ロマンス部分が自分と思っていたほうと違う女性とくっついたってところかな。

 

ま、扶桑社ものならこんなもんでしょ。