すべてが猫になる

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幻夜  (ねこ3.7匹)

 

阪神淡路大震災の混乱の中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。それを目撃した女。二人は手を組み、東京へ出る。女を愛しているがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めてゆく男。やがて成功を極めた女の、思いもかけない真の姿が浮かびあがってくる。彼女はいったい何者なのか?!名作『白夜行』の興奮がよみがえる傑作長編。(裏表紙引用)


エエエエエ~~~~~~っ^^;;

 

エ~~~~~っ。エ~~~~っ。エエ~~~~~~~っ。


・・・と思いながらこの長い長い物語のページを閉じた、37歳の冬。このラストに同じように不満を抱いた人は多いのではなかろうか。こ・これで終わりとは。。。スッキリしない。モヤモヤが残る。刑事もうちょっと頑張れよ!雅也も目を覚まそうよ!美冬を誰か止めろ!


というわけで。
なんか読んでいて、「白夜行」というより「殺人の門」のほうを思い出した。あの登場人物への不快感、嫌悪感よふたたび、だ。白夜行のときはもっと女のほうに脆さというか儚さを感じたんだが。コッチの女性(美冬)はただただ不快で理解しがたい悪女でしかなかった。何者でもなかった立場から、女性の身でここまで出世するっていう展開は最初は面白かったのだけど、周りの人間不幸にしすぎ。あれも?あれも?あの人も?もしかしてあれも?とウンザリ。雅也や美冬に関係したほとんどの人の不遇が計算とは。。思いつくだけでもオエっとなるけど、その行動力には参った。そこまでするほどの過去や目的ってなんだろう?美貌?お金?名声?


で、ここから本題に移るが。「白夜行」からあまり間を空けてこの本を読まないほうがいいです。私のことだが。読み終わってあまりに「???」だったので、「東野圭吾ファンサイト 幻夜ネタバレ」を熟読して来たらアラビックリ!!あ、あ、あれがあれであれはあれだったとは・・・!!(自粛)東野さん曰く「続篇ではない」らしいが、前作との共通項や細かい設定の一致、矛盾のない状況設定と人物像のリンク。大量のそれらを突き合わせると、なんとよく出来た2つの作品だろうか!

 

でも、それはそれ。それでも物語としては冒頭の「エエ~~~っ」に戻る自分が居る。もうちょっと短い小説ならともかくさー。辿り着いた果てが自分の望むものじゃなかった、ってならわかるけどさー。終わった気がしないぜ。