すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

蘆屋家の崩壊  (ねこ4.1匹)

 

「猿渡」と「伯爵」のコンビが飄々として行くところ、日常世界は薄暮の幻想地獄に変貌する。鬼才津原泰水、注目の処女短篇集。怪奇と幻想の「幽明志怪」シリーズ・書き下ろし新作を含む七編を収録。


続篇から読むという失態を演じてしまったこのシリーズ、記憶に新しいうちに立て直し。

 

むむむ!!

 

こっちのほうが断然読みやすかった。。。同じシリーズと思えない、ってほどではないけれど、こちらはほとんどが普通に起承転結が付いているので普通に読めました^^;ま、だんだん気持ち悪さがエスカレートしていくあたりは同じだったけど。。

 

「反曲隧道」
伯爵と猿渡の出会いのエピソードが描かれている~♪結構凄いことになってたのね^^;でも豆腐好きが一致して親友になるなよ^^;車、トンネル、幽霊というホラー定番のお話でなかなかコワイ。

 

「蘆屋家の崩壊」
説明不要、「アッシャー家の崩壊」のもじりですな^^。謎の蘆屋家にとり憑いた迷信をめぐる怪異の物語。狐憑きと言われた女性の存在感がすごい。隠された秘密はこういう時代ものには多い真相ではあるけれど、文章のリズムや台詞の言い回しが独特でとても雰囲気が好き。

 

「猫背の女」
一番気に入った作品かもしれない^^;デートした女性が酷い猫背で、彼女との約束を破ったことから恐ろしい報復が。。。めっちゃ怖い。。。なんだったんだろうあれ。。猿渡君も色々な経験をしています。

 

「カルキノス」
タイトル見た瞬間ちょっとイヤな予感はしていた。このカニのビジュアルお願いだから克明に描写しないで^^;見たくない食べたくない^^;カニは好物なんだが。。でも、面白かった。このオチのためならやっぱ克明に描写しなきゃだね^^;

 

ケルベロス
今度はなんだよ~^^;と思いながら冒頭の蒟蒻談義にホっとする。蒟蒻も豆腐も大好物だぜ。八つ墓村のような田舎の地で出会った双子の姉妹。その妹は交通事故で車椅子生活を余儀なくされている。祟りをめぐる猿渡の冒険と悲恋の物語。さ、猿渡君・・・(TOT)。。

 

「埋葬虫」
イヤな予感がしなきゃいけなかったのは本当はこのお話だった^^;むし~~~むしぃぃぃ^^;;え、虫を食べて?卵が??ひー。看病役の伊予田が不気味だわ!!猿渡君、確認しなさい確認を!

 

「水牛群」
猿渡君が精神的な病に罹ってしまい、飲酒だけの生活に。。あああ。不眠症って辛いよね。痩せてしまって不当に会社も解雇されて、絶望のどん底です。ほんとにこの人には平和がやって来ない^^;そりゃ小説に出来るわ、このシト。。


以上~。
全話、物語の説明がなんとか出来る1冊で助かった(笑)。いやはや、珍味はもちろんグルメさんのエッセイって感じもしなくはないのだけど、そういう個性も光っているし伯爵と猿渡さんのキャラクターは続篇よりずっと明快だし、苦戦しませんでしたあ(^^)vコッチは難解、ってほどではないと思われ。これぐらいが自分のベストかな。

 

次は話題の「11」かな。あと1冊、開架にめちゃくちゃ借りにくいタイトルの本があるんだけど・・・^^;どなたか読む予定あります?^^;男性でも借り辛そうだよ。。