すべてが猫になる

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ジェラルドのゲーム/Gerald's Game  (ねこ3匹)

スティーヴン・キング著。文春文庫。

季節はずれの山中の別荘。妻を緊縛してセックス遊戯にふけるはずだったジェラルドは急死、床に転がっている。バンザイの恰好で両手をベッドポストにつながれたまま取り残されたジェシーを、渇き、寒さ、妄想が襲う。そしてさまざまな”声”が彼女の思考に入りこんで……。ホラーの帝王・キングが描きだす究極の拘禁状態の恐怖!(裏表紙引用)


異常に読み終わるのに時間がかかったスティーヴン・キングの大長編。タイトル、あらすじ取って見ても面白そうだと思ったし、想像と違うお話というわけでもなかったのだが。やはりこの時期のキングは冗長・退屈ですな。これからキングに挑戦しよう、という方には全くオススメしません、これ。


この作品のキーとなっているのはやはりジェシーの「脳内メイト」である「頭の中の声」。長時間の一人芝居を、脳内の声と会話することによって彼女の性格や思考があからさまになってゆく。そして、死を目前にした彼女が育った環境が延々とフラッシュバックされて、そのドロドロとした深みで物語を怖いものたらしめている。これがまた、長いのなんの^^;表現や視点はやはり凄いなと思うのだが、はっきり言って「閉鎖状況からの脱出」だけのお話なわけで。こんなに長い必要はないわけで。ジェラルドが死ぬのが早すぎたんだよなー。。このジェラルドの死体が腐って行ったり動き出したりしたらまた面白かったのだけど(笑)。本気で脱出に取り掛かるあたりがやはりグロくて迫力があったのだけど、ラストのうだうだがまた冗長、蛇足、無駄。

悪い作品でも駄作でもないと思うのだが。。キングを読破するぜという方は早いとここのへんは片付けちゃって下さい。


(507P/読書所要時間6:00)