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サム・ホーソーンの事件簿 III/Diagnosis: Impossible 3 Further Problems of Dr. Sam Hawthorne  (ねこ3.6匹)

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エドワード・D・ホック著。創元推理文庫

ピクニック中に突如駆け出し、川に転落した女性。一緒にいた夫も、何が起きたのかさっぱりわからないという。サム・ホーソーンも困惑した、不可解な死の真相とは?(「墓地のピクニックの謎」)。自殺した男は、町長殺害を遺書で自白していた。だが、実際に謎の狙撃事件が起きたのは、その翌日のことなのだ!(「防音を施した親子室の謎」)。その他、サム・ホーソーンの活躍譚全12編に加え、ノンシリーズ短編の「ナイルの猫」を収録。難事件・怪事件満載の第3集。(裏表紙引用)


久々のサム先生シリーズ第3弾。
こちらも既刊同様、不可能犯罪、密室殺人の宝庫となっている。今回はサム先生が素人探偵引退宣言をする事件が起きたり、レンズ保安官自らが事件を解決したりと作品の色に変化が見られる。相変わらずこの叢書の中では訳が最も現代風で、たいへん読みやすい。サム先生が特に変人でもなく、女好きでもなく、薬にも溺れず、変装もしないスタンダードな好人物である事が人気が抜きん出た理由だろうか。作品数が多いのもあるだろうが。だからと言ってサム先生の高級車が爆破されたのは可哀想過ぎだろ^^;

時代がサム先生の人生と共に移り変わり、サム先生も看護師エイプリルと一緒に歳をとってゆく。サム先生はもう「老医師」という書かれ方をされているのだが、6冊あるうちのまだ「3」なのに早過ぎない?表紙若過ぎない?そして今回、エイプリルがまさかの・・・!!これ、かなり意外な展開だったのだけど。。今後どうなるの?ずっとこれからはメイなの?

そして異色のシリーズ外短編。倒叙風で最初は食いついたのだが・・・なんのこっちゃ?


(396P/読書所要時間3:00)