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三年坂 火の夢  (ねこ2.8匹)

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早瀬乱著。講談社文庫。

「三年坂で転んでね」―帝大生の兄が怪死する直前に残した言葉を手掛かりに、東京の坂を巡る実之。その東京では、大火の度に放火魔とおぼしき人力俥夫の姿が目撃されていた。“転ぶと三年以内に死ぬ”という禍々しい言い伝えと、近代東京の命運を揺るがす謎に、高嶋鍍金が挑む!第52回江戸川乱歩賞受賞作。 (裏表紙引用)


初めて読んだ作家さん。なかなか今は人気のようで気になっていたのじゃが、個人的には選んだ作品を失敗したなあと思った。。。読み切った自分を褒めたい、ただ~そ~れ~だ~け~^^;

なにが失敗って、時代物なんだよ~~。。。


士族の家系に生まれた青年が、東京へ行った優秀な兄の死の真相が三年坂にあると閃いて、勉学を兼ねて
東京へ行くというお話。平行して、大学教授兼探偵の鍍金が東京を震撼させている放火事件の謎を解いて行くわけ。青年の坂の名前を調べていく過程がもうつまらなくてつまらなくて^^;地図が章ごとに掲載されているのだけど、こんなに分散されたら理解が追いつかない。もうちょっと怪奇っぽかったら楽しみポイントがあったと思うのだが。探偵役が分担されていながら、ラストで大掛かりな謎が判明するあたりはなかなかだったけれども。
結局一番面白味を感じたのは、青年が一銭一円にあくせくする姿とアルバイトで俥を引いて苦労しているところだった。”東京の地理と坂の名前の乱発に眩暈がした小説”以外の印象は将来的に残らないだろう。

(468P/読書所要時間4:00)