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田舎の刑事の趣味とお仕事  (ねこ3.7匹)

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滝田務雄著。東京創元社ミステリ・フロンティア

彼の名は黒川鈴木。姓名どちらも姓に見えるという点で、まあ珍名の部類に入る。職業は警察官。階級は巡査部長。既婚で子供はない。酒もタバコもやらない。ギャンブルなど論外。ふだんはヒマでも、事件が起これば無能な白石と真面目な赤木、二人の部下を連れて現場に急行する。起こる事件はワサビ泥棒、コンビニ立てこもり事件、カラス騒動にトーテムポール損壊事件…のどかな田舎だって難事件は起きる。第三回ミステリーズ!新人賞受賞作から始まる脱力系ミステリ“田舎の刑事”シリーズ第一弾。肩の力を抜いてお楽しみください。(紹介文引用)


うひゃひゃひゃひゃひゃ^^
ずっと気になっていたシリーズ。期待通りに大変大変気に入りました!いや~、キャラがいいねえ!!
ていうか、キャラだけだねえ!(笑)最近あまりキャラもので収穫がなかったので、昨日と今日とでとっても嬉しい出会いが続くとテンションあげあげ。噂は聞いていたけれど、ここまで警官でキャラが立ったものって記憶を探っても見つからないぞ。

本書は5編収録の短編集。田舎ののどかでヒマな警察官たち、という設定を生かしてか、殺人事件は扱わない。わさび窃盗やトーテムポール破壊事件などからかなり際どいものも少々。日常の謎系ではないので
完全にほっこりというわけにはいかないが、これは謎解き(一応しっかりはしている)に楽しみを見出すというよりキャラクターの面白さを堪能する作品だ(断言)。通常はじっくり1冊ずつキャラの良さを見出し愛着が湧いてくるものだと思うので、こういう初っ端からガーンと引き込ませてくれる人材は貴重。(相性は無視出来ないが)主人公・黒川の趣味がネットゲームというのが笑える^^;しかも、女子大生の振りをしております^^;ソレ絡みで仕事上面白い展開が待っているのもツボ。悪口を言われても面と向かって文句を言えない黒川の心の声がおかしすぎ^^;;;部下の白石がほんとにバカでねえ(笑)。
そして、黒川の妻の存在は語るに外せない。最初は貞淑で従順な妻、という雰囲気で登場したのに、魔女か悪魔かと見紛う変貌っぷり(笑)!!!なんだよこのシト~^^;;;ザリガニが~(笑)アルバイトが~(笑)腹話術が~(笑)
あーお腹痛い。。久々に無心で楽しめたミステリだったな~。

ま、ミステリとしては終わってるものが多々あったけど(笑)。続編のタイトルもそそるので、たのしみ!!たしか開架にあったぞ!!(ふんがー)


(236P/読書所要時間2:30)