すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

スイート・ホーム殺人事件/Home Sweet Homicide  (ねこ3匹)

イメージ 1

クレイグ・ライス著。ハヤカワ文庫。

お隣の奥さんが何者かに射殺されたと知って、カーステアズ家の子供たちの頭に浮かんだのは、ママのことでした。もしも女流推理作家であるママが犯人を捕まえれば、有名になって小説も売れるにちがいない! ところが肝心のママは新作にかかりっきり。かくして、ちびっこ三人組の活躍が始まるのですが……謎解きをほのぼのとしたユーモアとペーソスでくるみ、ライスがその持ち味をいかんなく発揮する傑作本格ミステリ!(裏表紙引用)


久々のクレイグ・ライスはノン・シリーズもの。ここ最近新訳(トールサイズ版)が出たので見かけた方も少なくないだろう。新訳発売は評価、人気のバロメーターの1つだと思っているので期待して読み始めたのだが。。。

合わなーーーーい!!!!(><。)
童話調の文体と、子供たち三人組のキャラクターをどうしても好めなーーい!!

書評を軽く巡ってみたら、新訳のものが多く。「旧訳のです・ます調が良かったのに」という意見を見つけて驚いたのだが、童話調はこの旧訳だけなのだろうか?殺伐とした殺人事件とおしゃまな子供たち、という組み合わせが斬新なのだろうが、シーンによっては無理がある気がしたのよね。時代独特の、言い回しの古さも馴染めなかったし。何より、下のお姉ちゃんの「わたくし~~~ですのよ」という意識的に大人ぶった言葉遣いや、三きょうだいでブーム中の暗号(ニキ・ゲケ・ロコ、とか)が出てくるたびにイラッとする^^;;(人間って不思議なもんで、基本的に、自分はハキハキ喋るしっかりしたとってもいい子、というのが嫌いなのだ)。

対して気に入ったのは、末っ子のアーチーとビル警部、そして「九人の子供を手塩にかけた」が口癖のオヘーヤ巡査部長。この二人が出てくるとほのぼ~のしますな^^。子供に簡単に騙されてるし^^;ミステリとしては展開にその面白さがにじみ出ていて(空想のキャラが現実になるあたりも)、伏線も上手かも。厳しい現実を突きつけられる事件だったけれども、幸せなラストがキャラとの違和感を相殺する。


しかし、ファン評価の高い作品のようで。ライスが好きなら本書を気に入らなくてはいけない、みたいな
空気の中、この記事は浮くんだろうな。。。未読の方は安心してお読み下さい、猫も杓子も銃を持ってます。

(389P/読書所要時間3:30)