すべてが猫になる

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中空 (ねこ4.3匹)

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鳥飼否宇著。角川文庫。第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞。



竹の花の撮影のために閉鎖された村、竹茂村を訪れた猫田と鳶山。村人は20年前の殺人事件の陰に怯えて暮らしていた。そして発生する忌まわしい連続殺人、、、!!

私の大好きな「閉鎖された村」もの♪
血縁関係の複雑さや、殺人の陰惨さ、村人たちの徹底した排他主義など、いかにも横溝正史らしいです。
かと言ってなんだ、横溝氏の二番煎じか、と思うなかれ。ちゃんとオリジナリティーがあります。
一字姓の謎や、竹取物語の別解釈などなど、文系まっしぐらの方にはたまらない謎がいっぱい。

難点といえば、最後に探偵役が全員を集めて推理を披露するお決まりの場面、あまりにもどんでん返しがしつこかった。実はそれがたまらないのかもしれませんが、あんなにひっくり返されると心臓が痛い。「早く、早く真の真相をををを~~~~!」(み、水くれ~~状態)
ページ数の制限があったと聞いたので、最後につめこんじゃったのでしょうか。ぎゅうぎゅう。

万人受けする作家とは言えませんが、読んでみる価値はあるかも。