すべてが猫になる

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無理  (ねこ3.5匹)

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奥田英朗著。文藝春秋

合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。(あらすじ引用)


お、終わった・・・(;--A。。。長かったけど、休日に一気読み。皆さんもうご存知ですよね、奥田さんの最新刊『無理』。『最悪』『邪魔』と同じく、複数の人間の視点で物語が進行する群像劇。前2作はそれぞれ3人ずつだったけど、本書は同じゆめの市に住む5人の人間にスポットをあて、その人生の転落、腐敗っぷりをこれでもかと描いてゆく。


あーもーほんとにイライラする!!!!!!!!

帯コピーで失礼。
弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー
東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生!
暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン!
スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳!
もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員!


あ~~~~も~~~~~、なんなの、生活保護の不正受給しているあの女性って!ていうか働かず子育てもいい加減にフラフラしてて23万って!!!(怒)週6で働いてるわしとそんなに収入変わらんやん!!しかも、不正がばれそうになったら養育費目当てに(いや、養育費は払うべきだが)下の子供を元夫に押し付けてさ~~~!!それに協力してる女の友達もなんなの!!そして友達と寝る元夫もなんなの!!(キィーーー!)

あと、しょうもない漏電の機械を高額で売ってる会社なんなの!!!それで成績上げて悦に浸ってる社員なんなの!!!男は稼いでナンボ?そりゃそうかもしれんが、それ誰の役に立つの!?人騙して不幸にしてベンツ乗ってロレックスつけて楽しい???

ていうかあの新興宗教団体なんなの!!「うちは変な宗教じゃない」って常套句やん!!ていうか他の宗教との違いを訥々と語ってるけど、一緒だって!!!金儲けてるじゃん!無償で働かせてるやん!!
(しかし教祖の「ほら捌いたーー!!」には大爆笑した^^;;)

しかも保安員のおばさんなんなの!!!!確かに万引きした人が悪い、でも神様にでもなったつもりか!!イライラが移るわ!!!(ムキー!)

そしてあの高校生を拉致監禁した引きこもり男!!!!妄想気持ち悪いねん!!まだ23歳でなにやっとんねん!!一般人を巻き込むな!!ていうか親!!!!!親~~~~~!!!(キエーーー!)



ふぅ。。。(;^^A

まあ、そのね、不景気だしね、町は活気がないしね、実際これに近い人間(いや、日ごろのニュースを観ているともっと凄い人達もいるんだが)は居るのは知ってる。でもさ~、だからこそ普通につつましく生きようよ~(泣)。。誰でも健康、仕事、家族、深い悩みの一つ二つはあるんだからさぁ。。わからんでもないよ?

ただねえ、本書の場合、リアルすぎてどよ~んとするだけにとどまるというか。。笑えないんだよぅ。。
もっと「うわああとんでもないことにぃぃぃ~!!」というだけのスリルが欲しかったんだよね。なんか、普通にありそうな身近に居そうなネタばかりで。。しかも、群像劇ならではのリンクの面白さがなかった。最後に一斉にどかん!じゃ白けてしまう。人間関係の繋がりを辿っただけのリンクじゃなくて、お互いがお互いを深く影響し合うような面白さが足りなかったね。


まあ、それでも、面白かったんだけど。。。個人的には最悪>>>>邪魔>無理、だな。

(543P/読書所要時間5:00)