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海紡ぐ螺旋 空の回廊  (ねこ3.7匹)

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高里椎奈著。講談社文庫。

美形の妖怪探偵達の活躍“薬屋探偵妖綺談”のラストを飾る作品。お使いにいったリベザルは誘拐・監禁され、座木の義父は首のない鶏がぶら下がる部屋で変死を遂げる。そして秋は…。昭和35年、女子高でのできごとに関係あるのか?時空を超えた事件と事件が絡まりあうのだった。大人気シリーズ第13作。 (裏表紙引用)


「薬屋探偵妖綺談」シリーズ、遂に完結!!
13作かあ~。よくぞここまで読み切ったもんだ自分。しかしそれほど感慨深くないのは、第二部としてシリーズが続行されているのを知っているからなんだよな^^;。。もしノベルスで追ってたら、ラストに泣いちゃったかもしれない。

シリーズ最終作らしく、ほぼ全てのキャラクターが揃い踏み。花屋のカイとかイエンリィなんてもう忘れていたさ。。そして高遠さんと葉山君は一体何の為に出て来たのか。。というように、良く言えばファンサービスが激しい。。しかし主人公である秋の過去や性格の謎などなどが殺人事件を通して過去と現在織り交ぜて繰り広げられる本書は、贅沢と言えば贅沢なのかもしれない。だんだん誰が誰だかわからなくなって来たが、登場人物の内の誰が秋なのかが最大のミステリーなわけだからそういう意味では成功作。リベザルに愛のお弁当を持たせる座木、好きだから側に居るんだと号泣するリベザル、一人で生きていけると言う言葉は虚勢だと信じたい秋。彼らを引き裂く別れの予感が、逆に彼らの結びつきの深さだと実感させるなんて皮肉だ。

全然終了した気がしないけど、あとがきを読むに高里さんはこれで完結させるつもりだったのかな?
文庫用のご挨拶なのでなんとも言えませんが。
読者の要望で再開したのだとすれば、すべ猫付近での閑散ぶりが信じられない程やっぱり人気シリーズだったって事か。

                             (499P/読書所要時間5:00)