すべてが猫になる

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少年時代/Boy's Life (ねこ4.6匹)

ロバート・R・マキャモン著。文藝春秋

十二歳のあの頃、世界は魔法に満ちていた?1964年、アメリカ南部の小さな町。そこで暮らす少年コーリーが、ある朝殺人事件を目撃したことから始まる冒険の数々。誰もが経験しながらも、大人になって忘れてしまった少年時代のきらめく日々を、みずみずしいノスタルジーで描く成長小説の傑作。日本冒険小説協会大賞受賞作。 (あらすじ引用)


遂に憧れのマキャモンを読みました^^!
とりあえず代表作から。。という事で、ハードカバー上下巻850ページの大作に挑戦。4日間ずっとこれを読んでました。。(;^^A 一気にガーッと読む、というタイプの作品ではないので、一話一話じっくりと。ホラー作家なのかミステリ作家なのかわからなかったのですが、こちらは「もうホラーは描かない」というマキャモンの意志で(でも、今ホラー出てますよね?^^;)描かれた作品だそう。ミステリというよりヒューマンドラマ、これは普通文学のカテゴリに入れてもいいかもしれない。

とにかく160人ほどの登場人物がいるので(数えてないけど、そうらしい。動物や怪物?、幽霊も入れた勘定なのかな、笑)この4日間の自分には思い出がいっぱいです。主人公コーリーはアメリカ少年の中の少年というのか、映画やお祭りが大好きで、危険な事にも興味いっぱい、動物や自転車への愛情もいっぱい、怪我もするし反抗もするし、友情も大事にするし家族も大切。魅力満点です。特に、彼が大人になってからの視点で描かれているので懐かしさに溢れた文章になっているのでしょう。

特に好きだったのが、引っ越し魔の両親を持つ苛められっ子のネモです。彼には凄い才能があるんです^^なんだかスーパーサイア人みたいに終わってしまうキャラクターなのですが(笑)、もう一度彼に会いたい!緑と青の服を着た双子のおばちゃんペアも妖怪みたいで面白いし、全裸で登場したコーリーの初恋の少女(笑)も素敵でしたね^^・・と、こんな風に愉快で生命力のあるキャラクターが次々登場する物語なのですが、少年の目を通して、全体に漂うのは恐ろしい殺人事件の謎です。目撃者となってしまったコーリーと父親のトラウマが常に生活にまとわりついていて、緊迫感満点。
夢と希望いっぱい、郷愁漂う懐かしい懐かしい物語です。お薦めします^^

次はどれを読もうかな。ハマリそう、マキャモン^^上下巻が多いのよね~。次はホラーもいいし、二度目の受賞を果たしたという「スワン・ソング」もそそるなあ。タイトル的には「ミステリー・ウォーク」も惹かれる。。。むずむず。