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残酷号事件  (ねこ3.6匹)

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上遠野浩平著。講談社ノベルス

残酷。―それは人生そのものか。酷薄なる運命のことか。積み重なりし理不尽に対し、怒りと共に選ぶ道のことか…残酷号と呼ばれる謎の怪人が戦火の絶えぬ世界に降り立つ。無敵の力をふるい暴虐の軍と闘うその正体は、心を喪失したひとりの少年、義賊ロザンは少年を救おうとするが、その前に立ちはだかるのは、怪人を生み出した元凶―邪の極ともいえる敵だった。歪んだ世が悪を生むのか、人の性が悪ゆえに世が歪むのか。なくした心を探し求める残酷号に未来はあるか。 (あらすじ引用)


勝手に”殺竜シリーズ”と呼んでいる上遠野さんのファンタジー×ミステリー、待望の第五弾です。と言いながら、このシリーズ記事にするのは初めてなんですが。。知らぬ間に、イラストレーターがやまざきもへじさんに変わっているし^^;気付かなかった。前の方が好きなんだけど、気付かないぐらい似てるからいいかな;;

さて、久々に読んだ気がするこのシリーズ。
ちょっと今までの4作とは違って来ていないかい。完全なるファンタジーになっているような。。元はファンタジーでありながら論理的なミステリー要素がある、という点で気に入っていたつもりなので、少しがっかりです。お話はなかなか派手でアクションあり風刺ありと読ませるのですが。戦争とは、正義とは、というテーマを打ち出してキャラクターの個性や人間性を大きく魅せて来ている感じです。
残酷号というタイトルから、悲惨で心ない悪役を想像していたのですが、とんでもありません。風貌は残酷なのですが(笑)、哀しみを背負い運命から逃れられないものを具現化した存在という意味合いがあるようですね。

それなりに楽しめましたが、このシリーズ登場人物紹介を絶対に付けるべきだと思う^^;どんどんキャラが増えて覚えられない。。。