すべてが猫になる

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不死の怪物/The Undying Monster (ねこ3.6匹)

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ジェシー・ダグラス・ケルーシュ著。文春文庫。

深夜の杜で美女が惨殺された。先祖代々ハモンド家にとりついている不死の怪物がまた現れたのだ!一族にまつわる不気味な噂が流れるなか、美貌の心霊探偵が対決を余儀なくされた三千年の呪い、そのめくるめくばかりの真相とはなにか?幻の傑作とされていたホラー・ミステリの壮麗な金字塔をついに本邦初訳。 (裏表紙引用)


我が憧れのもねさんのところで先日紹介されていた作品です。オカルト・ホラー、三千年の呪い、というキーワードに惹かれたゆきあやさん、いそいそと読んでみました。なかなかこういうジャンルはご紹介がないと手に取る機会がありませんからね^^1920年の作品ということで、読みにくさを懸念しておりましたがとんでもない。非常にテンポがよく読みやすく、これが現代に発表された作品だと言われても違和感がなかったです。

雰囲気は期待どおり幻想的でゴシック。怪物の出現にパニックになる登場人物達の描き方も迫力があります。はっきり言って前半はかなり怖いです^^;心霊探偵のルナが登場してからは、雰囲気だけはそのままに論理で攻めたミステリーの形を成して来ていて、それが実は驚きでした。実際にラストで解明される論理的帰結はなかなか読みごたえあり。少し自分には難しかったかな、という気持ちもなきにしもあらず。。暗号も入ってましたしね。
正直言うと、ホラーよりミステリ要素の方が強かったのでそれは予想と違いました。逆だった方がより自分向きだったかもしれません。

とは言え気に入った要素はキャラクターの人間関係で、ロマンスの要素を盛り込みドラマ仕立てとなっている作風にはただただ好感を持ちました。欲を言えば、ラストの会話が違っていて欲しかったかな。。

もねさん、ご紹介ありがとうございました^^
「アンダーウッド~」も無事廻って来ましたよv