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クジラの彼  (ねこ4匹)

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有川浩著。角川書店

「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。 人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。 (あらすじ引用)


やっぱり有川さんはいいなあ~(*^^*)
ベタ甘のラブコメでも、有川さんなら気後れせずに読めますねえ。本作は六編収録の短編集で、どれも”自衛隊恋愛”を扱っている、どこまでも有川さんらしい内容。

『クジラの彼』
あれ?・・と思ったらやはり、『海の底』の番外編です!うほ~。
遠距離恋愛がテーマ。潜水艦乗りの彼氏を持った聡子と彼の、くっつかず離れずの恋愛にハラハラします。うっとおしいボンボンの上司がお話を面白くさせているのですが、ほんとにこの男だけは殴っても殴り足りないですな。やはり恋愛相手は価値観が合わないと、と思わせてくれる一品でした。お似合いお似合い^^

『ロールアウト』
自衛隊とトイレとの密接な関係が恋愛ドラマを生んだ(笑)。
トイレトイレと連呼しまくるお話ですが、結構切実のようです。笑えますが、有川さん女性なのに、この男性心理は取材したのか?^^;;リアリティあるなあ。
個人的には一番好きだったお話です。このカップルは応援したい!高科結構ゆきあや好みだし!(おい)ラストがかっこいいなあ。トイレだけど^^

『国防レンアイ』
男性が主人公ですねー。元同級生の三池(女)にこき使われるという。。
このヒロインはちょっとおいらあんまり好きじゃないなあ。同性だから分からないのかもしれないけど、客観的に見ての非常識をこの主人公がどう捉えるか、ってところだねえ。まあ、惚れた腫れたは理屈じゃないから。

『有能な彼女』
ぎゃーー!!夏木!望ちゃん!!(by『海の底』)
そして冬原と聡子ちゃんのその後。
いやはや、もう勝手にやってくれ(笑)。

『脱柵エレジー
有川さん曰く「やさぐれ調」で描かれた作品(笑)。
おいらは結構好きだったねえ。おバカ女が出て来るお話嫌いじゃないので^^;恋愛に酔う、というのは若い頃の特権だし、まあほっといてあげましょう。

『ファイターパイロットの君』
こちらは『空の中』の番外編です!あのカップルが登場しますよ!(実は気になってたんだー)
うん、光稀やっぱりかっこいいなあ。脆いところもあるし、彼が好きになるのわかるなあ。こういう状況って、現代なら珍しくないのかもしれませんね。(パイロットが、じゃないよ^^;)みなさんはどうやって乗り越えているのかなあ。


以上~。楽しめました!「ラブコメ今昔」も読もう!!
一応、自衛隊ものならではの設定が多かったので良かったですね。最初は「自衛隊ものうんざり」な気持ちだったんですけど^^;でも「海の底」の感動がまた甦って来たし良かったな~^^
恋愛ものは苦手は苦手なのだけど、数いる作家さんの中で、一番自分が熱中して読んでしまう謎の作家、有川さん。「図書館内乱」やっぱり読むべきか。。