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豪華客船エリス号の大冒険  (ねこ4匹)

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山口芳宏著。東京創元社

荒城の探偵事務所に届けられた、伝説の犯罪者・夜叉姫からの挑戦状。それはヨーロッパへと向かう、豪華客船エリス号の乗船チケットだった。船上で勃発する連続殺人、次々と発見される夜叉姫からの挑発的メッセージ。荒城、真野原、そして殿島は、夜叉姫の正体とその目的を、暴くことができるのか。探偵たちが豪華客船上で繰り広げる、新感覚の推理活劇。シリーズ第二弾、堂々完成。 (あらすじ引用)


いいね、いいね~!
いってしまっているキャラクター、派手で荒唐無稽な舞台設定、目立ちたがりの犯罪者、全部いいねえ~!前作「雲上都市の~」の昭和初期の雰囲気そのまま引き継いで、今回は舞台を海上に変え、豪華客船の中で繰り広げられる事件です。ま、真野原が・・いきなり面白い^^;;泣けて来るくらい面白い^^;僕も船に乗せろーと黒人に変装して踊りまくり挙句の果てに義手爆発(笑)。探偵の一人を置いて行ってはお話にならないので、やはり”いかなる手段で真野原が船に乗り込むのか、そしてその登場はいつか”を期待するのは読者すべてに当てはまる気持ちでしょう^^

なかなか事件が起きないのでじらされる感じではありましたが、ようやくその事件が起きてしまうと、その莫大な被害に引いてしまいます。。いや、そこまでやれとは言ってないから、と^^;;参考にしているのは乱歩や正史(金田一への嫌味が、愛情表現に聞こえるんだよね^^)、ホームズetcとなんだかワールドワイドです(一応^^;)。この作者の長所となっているのはそれがただの模倣だけではなく、さらに一つ二つ自分の持ち味を加える事によって可能性を広げている所ですね。それならばこの時代設定は必要ないかも、とも思いますが、現代乱歩は太田忠司のフィールドだからねえ。
やはり、これから先豊かになって行く日本にとって、古くさい探偵は必要ない、という前提を元にそれでもギリギリの活躍の場として、やはり山口芳宏はこの時代を描くのでしょう。

個人的には、今回も前作と同等の爆発力があったように思います。動機はともかく、違う事をやろうとしているのは確か。少し目標が歌野晶午さんに近いのではないか、とも感じました。

それにしても、今回はファンがびっくりする展開がありましたね^^;ともすればシリーズこれで終わるのかと思いました(;^^A。そんな自分に気付くと共に、自分がどれだけこのシリーズにはまりつつあるかが自覚出来ましたしね。第三弾から買ってもいいかな^^←黙れ貧乏人