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青酸クリームソーダ <鏡家サーガ>入門編  (ねこ4匹)

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佐藤友哉著。講談社ノベルス

普通の大学生、鏡公彦18歳。ごくごく平均的な、何気なくコンビニエンスストアに行こうと思って出かけただけの夜。運悪く、最悪なことに目下殺人中の灰掛めじかに出会ってしまう。それを「見て」しまった責任を取らされる公彦。それは、めじかの「殺人の動機」を1週間の期限で探ることだった―。―ここから始める。ここから始まる―。「鏡家サーガ」入門編、遂に幕開け。(裏表紙引用)


(「ゆきあやさんが読む本の優先順位が楽しみです」と某よもさんに言われてしまい、かなり気まずい。慌ててモリミーも読んだのでお肩落としなきよう。しかし、目の前に「鬼の跫音」「草祭」「少女」がある状態なので、このラインナップで栗きんとんの後にユヤタンかい!と突っ込まれても仕方がないという自覚はあります。でもね、外に単行本2冊も持って行けないという都合も交じえつつぶつぶつぶつ。)

さて、単なる噂だと思っていた待望の<鏡家サーガ>新作発売が実現という事で。ユヤタンの筆はもうノリノリですなあ^^正直、文章力がヘンにアップした3、4作目を「良し」としなかった自分なので、栗きんとんほど小躍りはしていませんでした。もう兄弟多すぎて誰が誰だかわからなくなって来ているし^^;今回鏡家オールスターズそろい踏み(鏡子さん居ないね)。ていうか、癒奈さん(死亡)って誰?長女らしいけど、記憶にない。今回目立っている潤一郎兄さんも懐かしさを感じない。ハテ?^^;新キャラのめじかちゃん(名前が維新っぽい)が普通だと感じそうになるくらい強烈な鏡家の面々ですが、個人的には稜子さんが萌えでしたかな。漫画にマニアックな上、怒りのツボがずれまくりで弟(公彦)に突っ込まれ通しのこの姉さん、面白過ぎる。。このキャラだけで充分1冊面白かった。

ところで、文章がまた変わって来たのでは。ヘタヘタだった1、2弾、文学調で頑張った3、4弾と比べて、いい意味で読みやすくなっている。以前の装飾が削ぎ落とされ、ポイントだけを上手に掴んで並べている印象。おかげでギャグがすぱんすぱんとハマり、対照的な残虐要素が抑えめに感じる。かと言って、兄弟愛や加虐趣味などのユヤタン個性が殺されている気がしない。

個人的にはかなり合格点。これでミステリ要素で感心出来ればひとさまにオススメ出来る範囲も広がるかもしれませぬ。