すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ジウ I  (ねこ3.7匹)

イメージ 1

誉田哲也著。中公文庫。

都内の住宅地で人質籠城事件が発生した。所轄署や機動隊とともに警視庁捜査一課特殊犯捜査係が出動し、門倉美咲巡査は差し入れ役として犯人のもとへ向かうがーー!?籠城事件と未解決の児童誘拐事件を結ぶ少年、その背後で蠢動する巨大な事件とは?ハイスピード、未曾有のスケールで描く新・警察小説(裏表紙引用)


楽しみにしていた「ジウ」のシリーズ、第1弾です。こんな事をしている間に、もう第三弾が文庫になるのですね^^;嬉しいような待って欲しいような^^;
うん、やっぱり面白いよ誉田さん。「ストロベリーナイト」の方が個人的にはのめり込みやすかったのですが、エンタメとして万人に受けそうなのはこちらの方ではないでしょうか。またしても主人公が女性刑事(しかも二人)と言う事ですが、誉田さんには何か女性刑事に対するこだわりがあるのでしょうかね。今回の女性二人もなかなかキャラが立っていて魅力的です。犯罪者と心で通じ合おうとするおとなしい美咲と、文武両道で男性顔負けの強い気性を持つ基子。

う~む、どちらも別に^^;;;
通常、どちらかのキャラに共感したりするのでしょうが、ゆきあやとしてはこの二人、性格が対照的という以前に極端すぎて片方に思い入れる、という事はありませんでした。かと言って、どちらかに腹が立つ、というものでもないですし。普通の同性の感覚ではまだ女性に生まれない方が良かったね、と思わせる基子の方に軍配が上がるのかな。と思いきや、実は基子にはこちらがドン引きするような凄い過去があります^^;これ、凄い通り越してグロくないですか?^^;;

ストーリー自体はなかなか楽しめました。
児童の小指を切断するという誘拐事件と、籠城事件が絡み合って意外な展開を見せます。これだけなら普通の誘拐サスペンスなのですが、ここで「ジウ」という謎の存在を登場させたのがいいですね。まだまだ彼?の正体については謎のままですが、充分シリーズとして引っ張って行けるキャラクターではないでしょうか。

さてさて、実力的には安定していますが、どんな恐ろしいネタが登場するか不安もあり期待も出来るこの作家さん。二作読んで、読破は決定的となりましたね。