すべてが猫になる

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美女と竹林  (ねこ3.7匹)

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森見登美彦著。光文社。

諸君。どうやら未来は薔薇色らしいぞ!美女と竹林。それは、自分がやみくもに好きなもの。竹林の拝借に成功した作家は、将来の多角的経営を夢見る。しかし。美女はどこだ?虚実いりまぜて、タケノコと一緒に煮込んだ、人気文士の随筆集。(あらすじ引用)


森見さん初の随筆集という事で、楽しみにしておりました^^。
どう考えても随筆ではなく創作ものでしたが(笑)、そっちの方が自分にはいいので良しとします。と言っても、山本周五郎賞受賞パーティーで万城目氏を殴るとか電話で緊張の記者会見とか憧れの本上まなみさんと対談とか、実体験に基づくエピソードも挿入されている模様。自著『夜は短し~』を「娘」と名付けているあたりとか、これだけの人気作家なのに必要以上に謙遜して表現している所とか、作者の人柄が伺えて微笑ましいですね。

竹林に懸けるその想いは意味不明ですが、かぐや姫発見に備えての心構えや枯れ竹と青竹の違いなど、本質は浅いのに掘り下げられている印象を受けるその描写はさすがです。友人・明石の紹介文なども相変わらずどうしようもないけど憎めないキャラクターを打ち出していて楽しいですねー。文章の方もユーモアたっぷりでテンポも良く、飽きさせません。特に、登美彦氏が「あいうえを」と言って失神したくだりは爆笑ものでした^^;ただ、ラストの「すべてを語る・前編」に突入したあたりから急激に眠くなって来ました(笑)。そんな状態でもこちらが(笑)で済ませられる作家ってモリミーだけでしょうね^^;