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福家警部補の挨拶  (ねこ3.7匹)

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大倉崇裕著。創元推理文庫

本への愛を貫く私設図書館長、退職後大学講師に転じた科警研の名主任、長年のライバルを葬った女優、良い酒を造り続けるために水火を踏む酒造会社社長―冒頭で犯人側の視点から犯行の首尾を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ刑事コロンボ古畑任三郎の手法で畳みかける、四編収録のシリーズ第一集。 (裏表紙引用)


※事件についてのネタバレはしておりませんが内容に詳しく触れていますので、未読の方は以下↓を読まれない事をおすすめします。











ひと~~~つ。読むまでは「ふくやけいぶほ」と読んでいました。。。「ふくいえ」だったのね。。
そして、てっきり連作の最終話で福家警部補が女性だったという事がわかる!という叙述ものだと思っておりました。最初っから女性として登場していた^^;

元々刑事コロンボのオマージュ的なものとして読み始めたものだから、昔のファンとしてはすぐにこの設定を取り込めましたね~(ミステリファンはみんなそうだと思うけど)。コロンボがよれよれのコートじゃなくて綺麗な紺スーツのべっぴんさんだったらどう印象が変わるか、と思っても意外と違和感がないのもいい。そりゃそうか、大倉さんコロンボノベライズのプロだもんね。口癖(「あと一つだけ」)とか周囲の対応がコロンボと一緒だし。ここでひとつ、「うちのカミさんはね」に相当するような謎のプライバシーが欲しかったところ。若い女性ということで、周囲の彼女の第一印象がいいもので婦警、あとは学生、セールス、と色々です。「交通課の人?」と言う人が2、3人いたのがナゾ。交通課って一般人のイメージでは制服だと思うんだけど。。なんでだろ。さておき、捜査一課の警部補という事に必ず周囲が驚くのに対して「よく言われます」とクールに対応する福家さん。周囲の反応は仕方ない事だと自分は思うので(おいらも前職では責任者として出て行くと「えっ」って顔をよくされたぜ)、ここでムッとしたり一家言ぶつキャラだったら好感度が下がってたかもしれぬ。余談だけど永作博美さんが福家役ってぴったりかも。「えっ」って外見だもの。

コロンボが面白いからコレ面白いんだな、と思ったけど内容はハイレベル。どんどん続編を出していただきたい。次は「福家警部補のダンス」「福家警部補のメロディ」。違う。