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謎亭論処 匠千暁の事件簿  (ねこ3.6匹)

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西澤保彦著。祥伝社文庫

女○高の正門に車を停め、夜の警備室に戻った辺見祐輔は憧れの美人教師の不審な挙動を垣間見た。その直後、机上の答案用紙が、さらに車までがなくなった。ところが二つとも翌朝までに戻されていた。誰が、何のために?辺見の親友であり、酒に酔うほど冴え渡る酩酊探偵・匠千暁に相談すると……。続発する奇妙な事件を、屈指の酒量で解く本格推理の快感!(裏表紙引用)


ははは、タックシリーズに読みこぼしがあったとは^^;;
全くあれから進展していないように感じる(時系列はともかく)短編集だったのでまあいいのですが。
それはともかく、イラストはやめてください。夢が壊れますゆえ。もちろん表紙をめくるとボアン先輩とウサコのイラストも見れます。
本作はボアン先輩が語り手になったり、タカチやウサコが語り手になったりと忙しいです。教師として立派に?活躍するボアン先輩を眺められたのは嬉しいのですが。タカチの心情もいまいちわかりにくいので周りが冷やかすことによって「おや?」と思わせる感じです。一つびっくりしたのはウサコの章ですが。まあ読んでみて。

ミステリ的には相変わらずのパズル一辺倒。ディスカッションによって正しい推理を導き出す作風なので、正直短編集ではしんどいです。そこは読者にまかせてくれないかなあ、と特にウサコの章で思いました。。タックの存在感が薄かったですしね。初めて読んだ人には「なんでこいつが推理を?」って思っちゃうんじゃないでしょうか。。

おまけとして、『麦酒の家の冒険』にまつわる掌編がなぜかラストに掲載されていますね。しかし、出版社がバラバラだし長編短編で展開を進行させて行きながら時系列がたまにおかしいこのシリーズ、そこだけはなんとかならないでしょうか。そこはチョーモンインにも言えるのだけど、ファンとしてはタックに対する思い入れの方が何倍も大きいのだもの。