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三人目の幽霊  (ねこ3.7匹)

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大倉崇裕著。創元推理文庫

衝撃の辞令を受けて泣く泣く「季刊落語」編集部の一員となった間宮緑は、牧編集長の洞察力に感嘆しきり。風采は上がらず食べ物に執着しない牧だが、長年の経験で培った観察眼に物を言わせ、しばしば名探偵の横顔を見せるのだ。寄席の騒動や緑の友人が発したSOS、山荘の奇天烈も劇的な幕切れはご覧の通り。意表を衝く展開を経て鮮やかに収斂する、妙趣あふれるデビュー連作集。(裏表紙引用)


ふにゃー、面白かったです^^。
落語ものは避ける傾向にあるゆきあやですが、大倉さんは好きなので読みました。あふぅ、すらすらと読みやすい。。

一言で言うと意外な感じでした。まず、主人公の緑が落語については素人だという事。牧から色々な手ほどきを受け、落語を知らない読者と対等な関係を築く事によってその壁を取っ払ってくれています。
落語についてもわかりやすく色々なお話を載せてくれているので楽しく読めますね。それを事件と関係づかせて謎を解いて行くミステリです。中には、落語があまり関係していないようなお話も2つほど混じっていました。ソムリエ失踪とかね。
単純というかいつもの事というか、こういうのを読むと一度くらい生の落語を観たくなりますね^^;
こんなに高座?でトラブルばかり起きているわけではないでしょうが、舞台はお客さんとの勝負、命懸けと言ってもいいのでしょうね。
どちらかと言うと人間同士のいざこざ、というより落語世界のルールやしがらみを描いているんだなと感じました。それほどドロドロした雰囲気を感じなかったのはそのせいなのか大倉さんの特徴なのか。

これなら続編も読んでみたいですね。このシリーズじゃないかもしれませんが、他にもありませんでしたか落語もの。(まあ、とか言いつつもなんでも専門分野のものじゃない方が好みなんですが^^;)