すべてが猫になる

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蜃気楼の殺人  (ねこ2.8匹)

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折原一著。光文社文庫


新婚旅行の思い出をたどるためーーー銀婚式を迎えた野々村省三・文恵夫妻は、二十五年前と同じく、
能登へと旅立った。ところが、省三が何者かに殺され、嫌疑は姿を消した文恵にかかった!?娘の
万里子は両親の足跡を追い、真相を探る。やがて、謎の女の影と、新婚旅行に隠された驚愕の
事実が……!?(裏表紙引用)



久々に折原さん。これ、ノベルスとタイトルが違うんだってね。で、講談社文庫で加筆修正を
してるらしいのだけど、自分が持ってるのはコレだったので残念。

トラベルミステリーに折原さんが独自の手法を交えて挑戦した作品でございます。
確か「倒錯の帰結」だったと思うのですが、”マンネリに悩む折原氏”がそれからの脱出を試みた
作品なのでしょうか。一応、折原さんらしくご自身のスタイルもうまく取り込んでおります。
そうでないと、列車と旅館と崖が出て来ただけのミステリーになってしまったかも^^;

普通に二転三転してそれなりに面白いのですが、ネタが見え過ぎてしまいましたねえ。
プロローグで既にネタバレしているような^^;
さらに、伏線が。。引っ掛かるなコレ、というのを通り越して堂々とヒントですよね、どれも^^;
無駄がない、と言えば「モノは言いよう」という事になってしまうし^^;
登場人物の心理ももっと書きようがあるだろう、的な台詞が多いんですよね。これは謎解きとは
関係ないんですけど、不倫をしていて、男側の娘にバレそうになっているという窮地に立って

「見つかったら見つかったで、そのときのこと。開き直ればいいのよ」
「それもそうだな」

とは^^;;;;なんだこりゃ。大人の考え方かなこれ^^;;


と、言う事で。まあまあの作品でありました~~~~。(去る。収拾つかない)