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第14位 『犬神家の一族』 著/横溝正史

じゃんじゃかじゃ~ん。皆さんお待ちかね、すけきよの登場ですよん^^
また、「思ったより順位が低い」と言われたりするのかな^^;若しくは「『獄門島』は?」とか
『悪魔が来たりて~』は?」とクレームが来たりして。。とびびりながらも、素直に自分の
一番好きな横溝正史作品のアップです!そう、ファンの間でもこの作品の人気は4位に留まっている、
との噂ではありますが、映像化され一大ブームとなった横溝作品の火付け役となったすけきよもの。
好きな作品はファンによって様々だと思うのですが、おいらは普通にこの「犬神家の一族」が一番
好きなのであった。ちなみに二番目は『悪魔が来たりて笛を吹く』。

雰囲気の禍々しさは映画の方が上だと思うし、何よりマスク怪人すけきよや足がにょきっと
水面から生えている○○の姿は映像で見た方がショッキングだと思うんだよね~。
原作の方は、真面目な探偵小説度が高い気がします。



とにかく、学生時代に初めて触れた横溝作品ということで、今でもトラウマになっている場面の
なんと多いことか。笑い話になりそうですが、おいらは今でも菊人形展には足を運べないくらい
金田一耕助が腰を抜かしたあの場面が脳裏に焼き付いているのです。
そして、松子さんが親族一同の前で叫んだあの台詞。

「すけきよっマスクを取って見せておやりっっっ!!!!」
ずんずんずんずん……ぺり………ずんずん……ぺりぺりぺり……じゃじゃ~ん!! ←あほか


親族同士がここまで醜く争い合う、理不尽な悪意の塊のような”遺言状”、
マスクを被ったその下の恐ろしい顔(乱歩ものだとただ正体を隠す為だけになるけど)、
その巧妙なトリックと”そうせざるを得なかった”理由の見事さ、そして犯人の正体の
意外さとその哀しいまでの人間の欲望と執念、そして歪んだ愛。
自分にとっては初めて触れた世界感であり、その当時の斬新さと心の平穏を脅かす
おぞましさ、そしてそれをお茶の間に向けて放たれた事に対しての自分の価値観の崩壊は
人生でも五指に入るほどの貴重な経験であり、稲妻が走るほどのインパクトでした。

もちろん、金田一耕助という強烈なキャラクターの登場にも触れないわけにはいきません。
袴姿にぼさぼさ髪、洗っていないその頭髪からはフケが落ちる。茫洋とした頼りなさと
裏腹に、推理を披露する時の凛とした格好良さと人間を愛するが故に到達した達観した
佇まいは今もって”カリスマ”の他の追随を許さない、わたしたちの憧れの大スターなので
ありました。


まあ、普通は子供の前で堂々と観たり手の届くところに本を置いたりしないんでしょうが^^;
おかんにはたくさんのトラウマをもらいました。ありがとう^^;
ある日の親子の電話での会話。
ゆきあや「おか~ん、横溝正史の菊人形のやつって何やったっけ」
おかん「犬神家」
ゆきあや「そこに乗ってたん誰やったっけ」
おかん「すけたけ」
ゆきあや「……あ、そうか。じゃあ二番目の被害者の死に方ってどうやったっけ」
おかん「首を……(具体的な説明に入る)で、木に……」
ゆきあや「え?じゃあ”きちがい”のやつは……」
おかん「それは獄門島
ゆきあや「……そうやんな。。ところで『悪魔が来たりて~』の結末やねんけど、」
おかん「原作と違うバージョンしか今家にない。」
ゆきあや「がーん!え!?結末が違うん?ゆきあやが観たいのは原作の通りの終わり方が
こんなこんなこんなやつで……」
おかん「そっちはもう消した。だから違うバージョンは(長い説明に入る)……」
ゆきあや「ふーん。。それやったらアレの意味がなくなるやん。原作の方がいいやん」
おかん「いや、こっちはこっちでまた違う良さがある。」
ゆきあや「ほー。。。」
(以下延々と続く会話。作ってません。マジです。)