すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

魔女の隠れ里  (ねこ3.8匹)

イメージ 1

はやみねかおる著。講談社文庫。


桜もちに釣られて名探偵夢水清志郎は亜衣たち三姉妹と、山深い笙野之里にやってきた。山荘に
11体のマネキンを送りつけた”魔女”と名乗る謎の女が、恐怖の推理ゲームの開始を告げる。
桜吹雪の夜、亜衣たちが目撃したのは空飛ぶ魔女なのか!?解決編に、亜衣たちも知らない
もう一つの謎解きを加えた完全版!(裏表紙引用)



「名探偵夢水清志郎事件ノート」シリーズ第4弾です。
思えば、第1弾を読んだ時の興奮、ときめき、楽しさがシリーズが進むごとに薄れ始め、このまま
安定してしまうシリーズなのかな?と内心軽い扱いになっていました。
が。
おおお。この第4弾でまた初めて読んだ時のドキドキが復活して参りました!
初めての短編集(中編含む)なのですが、第一部からして大きな事件でありながら清志郎
一言ですぐに謎が氷解してしまいます。その颯爽たる解決っぷりを見よ!^^

幕間に挟まれる『休憩』は、亜衣たち三姉妹のお母さん、羽衣さんと清志郎の「普段の生活」を
彼女の一人称で描いた楽しくも驚きをもたらすほのぼのとしたミステリ。
これだけでも読んだ価値あり。

そして最後が中編であり表題作の「魔女の隠れ里」。
そして誰もいなくなった」のバリエーションです。
去年本名で刊行された大人向けミステリ、『赤い夢の迷宮』を少し彷彿とさせるような、
それを子供向けに夢水シリーズでやってみたらこんなに素敵になりました、といった印象。
あ、お話とかトリック関連では全く違いますので。


いやあ、楽しくってたまりませんね。ラストの清志郎の格好がつけられない宿命にあるような
オチも最高でした。ギャグも今回、ノリにノっている感じがしましたね。
「飼育係の亜衣です」には笑いました^^;

続きが楽しみになって来ましたね。毎月二冊同時刊行!とかやってくれないかな。
オチが一応ギャグで終わってますけど、何か胸がざわつくのですよね。。。完結してるのかな。