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暗い宿  (ねこ3.6匹)

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有栖川有栖著。角川文庫。


犯人当てゲーム<トロピカル・ミステリー・ナイト>に参加するため、南の島のリゾートホテルを
訪れた臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖。ハイビスカスに彩られたロビー。人魚姫の
ようにさざめく女たち。抜けるように青い空と青い海。バカンス気分で、のんびり過ごしていた
二人だったが、訳ありげな夫婦に出会って……(「ホテル・ラフレシア」)
廃業した民宿、冬の温泉旅館、都心の瀟洒な名門ホテルーーー。様々な<宿>で起こる難事件に
火村&有栖川コンビが挑む。(裏表紙引用)



積読月間♪ううぅ、まだあと2冊も有栖川さんの積読本があるのさ。。
「女王国の城」買ってる場合じゃなかった^^;
前回読んだ「ジュリエットの悲鳴」がちょっと、まあ、アレだったんで、似たような雰囲気を
感じる本書に少し腰が引けておりましたが。
なかなか良かったので一安心です。4編収録の短編集なので、一作ずつへぼ感想など。


「暗い宿」
取材と称して^^;アリスが出掛けたのは奈良県大塔村。現地で体調を崩したアリスが
辿り着いたのは、廃業してしまったさびれた民宿だった。という、ちょっとホラーチックな設定。
怖いおばあさんがいるのよねえこれが^^;
事件そのものは社会派寄りなのですが、謎解きというより一人の人間の人生を描いた
哀愁のドラマといった趣きでなかなか。^^

「ホテル・ラフレシア
ラフレシアって、世界で一番大きな花なんですね。直径1メートルだって。
見てみたいな。検索してみようかな。そこまで大きいと「綺麗」なのかどうか興味が。。
ちょっとクリスティを彷彿とさせるホテルの雰囲気。
なかなかどんでん返しのきいたサスペンスじゃないでしょうか。これがあったからいい作品に
なっているのでしょうが、自分としてはちょっと悲しかった。。

「異形の客」
帽子やサングラス、包帯で体を覆った男。彼が泊まった旅館で起きた殺人事件。
彼は被害者なのか?何者なのか?
なかなかバラエティに富んだ作品集ですね。今度はナントカ十字軍とか出て来ましたよ。
トリックが凝りに凝った事件でした。
「人を殺害してとぼけている君に自首は必要ない」ーーーー火村さん、クールだけど
熱い男です。

「201号室の厄災」
多分アメリカあたりのハードロックバンドという設定にしていると思うんですが、
今度はロックスターがツアーに訪れた日本のホテルで巻き込まれた密室殺人事件。
本作は火村さんの独壇場です。ちょっと怪我とかしちゃいます。
密室殺人なら俺のステージだ、という台詞に痺れる。
これが一番面白かった。火村さんの罠にびっくり。



やっぱり火村さんはいいですね^^フィールドワークこそが彼の人生なのでしょう。
いつか、その胸の内を明かしてくれる作品に出会えるのでしょうか。
あと持ってる2冊も火村&アリスものだ^^らりほ~♪