すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

モノレールねこ  (ねこ4.6匹)

イメージ 1

加納朋子著。文藝春秋


デブねこの赤い首輪にはさんだ手紙がつなぐ、ぼくとタカキの友情「モノレールねこ」。
夫を待つ時間に取り組んだ白いパズルの中に、犬の気配が。「パズルの中の犬」。
家族をいっぺんに失った中学生の私と、ダメ叔父さんの二人暮らし「マイ・フーリッシュ・アンクル」。
私と偽装結婚したミノさんは、死んだ婚約者がそばにいると信じていた「シンデレラのお城」。
ロクデナシのクソオヤジに苦しめられてきた俺に、新しい家族ができた「ポトスの樹」。
会社で、学校で、悩みを抱えた家族の姿を見守るザリガニの俺「バルタン最期の日」。
6編収録の短編集。(帯引用)



お薦めです^^ (←もう!?)
よもさんありがとう~♪貴方の記事がなければ今この本を読む事は出来ませんでした。

最初の表題作を読んでいる間は「うっ^^;、ねこのこういうネタはおいら辛い」と
半ば引いてしまったのですが、この後の展開にやられました。だってねこがこうなったからこそ
彼らの続きが始まった気がするし、そもそも出会えていたかも危うい。
「ほのぼの」姿勢で読み始めたのですが、設定がなかなか主人公にとって酷なものや
日常のしがらみを描いたものが多い事にも驚き。
そもそも「マイ・フーリッシュ・アンクル」なんて、こんな設定をどうやって短編に
まとめるんだ?と思ったら2、3ページでもうちゃんとお話が始まっちゃった。
それもなんなく自然に。
「憎むべき身内」という共通点を感じる「ポトスの樹」の方が気に入ったのだけど、
このオヤジにはやっぱりツッコミどころ満載ながらも愛せてしまう何かがある。
一番気に入ったのはいかにも短編の題材らしい「バルタン最期の日」。
ザリガニが語り手というのも面白味の一つですが、めっちゃこのカニ人間臭い(笑)。
このバルタン君になんだかもう泣けちゃって(T_T)


人間何があっても笑えるなら大丈夫。
なんつーか、今回ザリガニに物を教えられちゃったよ^^;
どんな環境にいようと、自分だってまだまだ笑えるからねえ。
毎日本を読んで怒ったり泣いたりそこにある人を好きになったり。
空想に逃げてるんじゃないよ。