すべてが猫になる

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痙攣的 -モンド氏の逆説- (ねこ4.4匹)

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鳥飼否宇著。光文社文庫

ロックバンド「鉄拳」が神話的存在になったのは、あまりにも衝撃的なデビュー公演のためだった。
密室状態のライブハウス。演奏中、メンバー全員が突如姿を消し、ステージ上にはプロデューサーの
死体が。メンバーの消失方法と、その後の行方は謎のまま……。(「廃墟と青空」)
ロック、現代アート、マッド・サイエンスを舞台に展開される、痙攣的なまでに美しい本格推理!



ぐほっ。ぐはっ。げほげほ。なんだこの本、ひとをばかにして~~~~~!!!(^^;)

姉貴は語る。「読んだらこの作家の正気を疑う」。。優しい姉貴からのそのさりげない助言から
本を読んで悶死なんて事のないよう心の準備をしろよ、という真のメッセージを読み取り、
相当の覚悟をして読んでいたのですが。。

最初の1、2編はものすごく変わっているというだけで(だけって^^;)、一応きちんと
本格推理なんです。なーんだ、普通の範疇だよこれぐらいなら。てなもんで。楽しく楽しく
わくわくと読んでいました。ロックに興味のない人なら蘊蓄が辛いのかもしれませんが。
(と言ってもマーク・ボランと言えば「ああ、T-REXの?」、ニルヴァーナと聞けば「はぅろ~
はぅろ~♪」とサッと言える程度であればよろしいでしょう)
しかし、鳥飼氏は詳しい方だと言うのは分かるんですが。ちょっとおかしいなあ、この設定。
文章で音楽性を表現するのは難しいから、存在した具体的なバンド名を挙げて
イメージを喚起させるのは良いのだけど。今の日本で、ヴェルヴェット~やピンクフロイド
に疑似した音楽がこれほどの話題になるとはとても思えないんだけど。。ライブハウスが入場制限
しなきゃいけないほど埋まるとか、ロック誌がこぞって取材するとか、そこまでにしておけば
良かったのに。TV局が来て日本中が話題騒然はいくらなんでもやりすぎな気が。
あと、いくらバンドと言っても「合宿」!で、この「ある人物の真相」、
風紀的に有り得ないと思う。思うじゃない。有り得ません。

ちなみに現代アートのお話の方の蘊蓄はさっぱりわからなかった(興味ないので)。

しかし、ここまでは凄く楽しかったんですよね。本当に。
これは、今迄の人生でどんな本を読んで来たかとかそういう問題で、「おかしい」とか
そういう種類のものではないのではないかと。そんな事を思っていたら。
3編目。

…………はい??(ーー;)
なんですと???
なんの冗談?なにこの図面??いや、図面はいいんだわ。水槽の中の「アレ」、なによ??(笑)
連作?いや、違うだろこれ。
ああ、そう。そういうこと。なーるほど。
いや、待て。納得出来ない。おかしいよこれ^^;
イカ??
イカ。。。
イカことば。。。
イカスーツ。。。。
人○転○の殺人??(by西澤さん)
そして最後のお話、なにこれ?


ま、マズい。。。ゆきあやのツボに入った。。。
どストライク。。。。
い、いや、待て。ゆきあやはこんな人を食ったバカミスはシャットアウトしていたはずだ。。
北村さんの水の流れる美しい文章。島田さんの芸術的なトリック。乱歩の妖艶なる日本の美。
ストイックなイケメン柚木さん。ハートウォーミングなくろけん。。。。。
なのに。。。。
最近のゆきあやのバカミス褒め率は凄いものがある。。
六とん。ねこミス。そしてこれだ。ある意味これが一番褒めてはいけない。
こんなものが好きだなんて本来隠さなくては生きて行けない。


あああ。。。でも好きだ。。