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13のショック/Shock! (ねこ3.6匹)

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リチャード・マシスン著。早川書房

「異色作家短編集」(全20巻)、これはNo.4。50~60年代の作家を中心に、長らく
絶版だったこの叢書が復刊されました。隔月で2冊ずつの刊行という事ですが、もう全部
出てるかな?というか、全部受け売りなんで細かい質問はナシでお願いします^^;。むしろ
詳しい方は教えていただきたいぐらいで。
そして、高い。。。この装丁で2000円はヤ○ザのような気がひしひしとします。。
高い高いと文句を言っていた講談社ミステリーランド(函入りっ)が安く思えて来ました。。

で、その全20作の中から(一応全部買う気)最初にどうしてコレを選んだかと言うと、
お名前が一番有名な気がする、というのと、スタージョンと並んでコレがシリーズの「目玉」の
ような扱いをされていたからでございます。。面白すぎる、凄すぎる、という評判もちらほら。。


では、この中から特に気に入ったものを。
最後の『種子まく男』でございます。
悪意と言うには淡々としすぎていて、それが逆に恐ろしさと有り得なさに効果をあげている、
と言いますか。何のためかが最後までわからない。こういう不条理さ、独特です。
この作家さんの手腕というか、「異色」さを感じたのは『人生モンタージュ』。
なにがなんだかわからない、時間感覚にノって行けないこの感じ。そりゃないよと。。
面白いなあ、と思ったのが『天衣無縫』。オチ一発、という作風ではない印象なんですが、
これは決まったなあと。設定が奇抜なのに、読む側に想像力を与えてくれます。


他作品はそれほどひっかかったものがなかったので、全体的に淡白な読後感。
時代的に仕方ないのですが、どうしても「原点」を読んでいる気分になるので
「ショック」は受けられないのが残念。。こっちが本物なんでしょうけど。
『ノアの子孫』なんて90%くらいの確率で読者にオチが読めるのでは。。
日本人なら確実にM沢K治のアレは読んでいるだろうし。。

ゆきあやのつぼにどかーんと来るのはきっとコレじゃないな。
次に期待。