すべてが猫になる

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クビシメロマンチスト -人間失格・零崎人識- (ねこ4.5匹)

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西尾維新著。講談社ノベルス

鴉の濡れ羽島で起きた密室殺人事件の悪夢も覚めやらぬ二週間後、「戯言遣いいーちゃんの住む
京都では連続殺人事件が発生していた。いーちゃんの通う鹿鳴館大学で彼は新しい仲間と共に
前向きに無難に学生生活を過ごすはずだった。しかし連続殺人鬼・零崎といーちゃんの邂逅が
それを許さずーー。



再読ですが、記事は初めてのようですねゆきあやさん。

あの、これって、こんなに面白かったですか………??^^;
衝撃の最後の一行はさすがに一生覚えていますが、まさか内容そのものがここまで濃かったとは……。

もうカミングアウトしちゃったので言いますが、西尾さんの文章は苦手です。
『中学二年生にしてバンド結成、でもメンバー全員ベース、みたいなっ!』
とか。これはいいんです、別に。

「現実感なんて微塵もなく、必然性なんてカケラもなく、理論式なんて部品もなく、浄化なんて
道化もなく、整合なんて水泡もなく、伏線なんて単語もなく、解決なんて幻想も(略)」

これがなあ・・・・^^;いや、本来褒めるところなんでしょうけど。。

そんでもって、いーちゃんの精神論と「似た者同士」零崎の精神論、戯言の二乗で炸裂です。
みょーに辻褄合ってるし、若い頃の自分が読んでたら影響受けてたんじゃないかな。。
(殺人のお話は論外)ちょっとひねくれた十代の子がこういうの好きそうだなー。。
これの犯人も、キャラの思考も、まったくもってわけがわからない。
まったく共感出来る余地がないのに、ここにある世界観の堂々たる信憑性というか、
現実味というか、それは一体なんだろう?「ココ」ならアリだなあ、という絶対的なもの。
「死人が生き返る設定下」とか、「主人公が時間移動可能」とかそういう目の前に提示された
ものではなくて、なんというか、もっと選ばれたもの。

「10年後に読んでも面白いと思うかどうか疑問」だったこのシリーズ。
ファンを標榜しておきながら、今頃本質が見えて来たような。