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九十九十九 (ねこ3.9匹)

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舞城王太郎著。講談社文庫。

生まれた時からその奇跡的な美貌で次々と人を失神させる九十九十九。両親に生後すぐ
殺されかけ(美貌ゆえに)、看護士の鈴木君に連れ去られてしまったがその鈴木君に
虐待を受け、鈴木君は刑務所行き。九十九は加藤家の養子となった。弟のツトムだけは
九十九を見ても失神しない。双子のセシルとセリカの奴隷となりすくすくと(?)育った九十九は
今やJDCに所属する探偵神だ。次々起こる見立て連続殺人の謎に挑む九十九。
清涼院流水の人気シリーズ『JDC』を舞城王太郎が夢のトリビュート!


なんやねんこれ(^^;)

『コズミック』しか読んでない上にその記憶を消し去りたくもある自分でも
なんとか読めたのでまあ、「これ読みたいけど清涼院はなあ。。」という人でも
なんとかなるでしょう。はい。
し、しかし、わからん。。「大爆笑カレー」と「名探偵猫猫にゃんにゃんにゃん」は
許せるとしても、
流水大説』→『述べる主(のべるす)』→『述べ足り内/述べ切れ内』→
『NOVELLA例無い』→『脳辺那井』→『もうお前とは喋ってやんねー世』→
『意味判らせてやらねー世』  …………(ーー;)。。

『判りたくもねー世!』とでも言わせたいのか。言わねー世……ってあああ感化されている。。。

どこまでが『舞城王太郎』で、どこからが『清涼院流水』ネタなのかの線引きが
自分には判別しかねる箇所が多々あり。あの探偵論やミステリ考察は舞城さんだと思うが。。
さらに、まるで宣伝のごとく清涼院流水の著作のタイトルが羅列されまくる。
佐藤友哉まで出て来たのは素晴らしい。しかし、これもちろん清涼院氏や島田氏やらの許可
取ってるよね……?というぐらいイケない事がたくさん書かれてますけど。。。
清涼院氏ネタはさすがに舞城さんと二人で『ふひゃひゃひゃ』と笑いながら作ってるお姿が
想像されるのですが。。御手洗さんのトイレネタとかおいら本気で腹立ったんですけど^^;


とかなんとか言いながら、めちゃくちゃ面白かったのだよ。
第一章~二章なんて完全に舞城オリジナルの世界でどこまでも破壊と暴力と家族愛、
うっかり泣きそうになったぐらいの。
こんなめちゃくちゃな展開になったのが凄く悲しい。。あああ第一章の九十九ちゃん、
戻って来ておくれよ。大好きだったのに。

好きになったりうんざりしたり。でもやっぱ好きかな。でもでもやっぱ物足りないかな。
普通に考えたらこれで十分レベル高いんですけど、舞城さんだもの。
やっぱり読後は「舞城さーん」と叫びたいのです。
これは「面白かったけど、もう1度読みたいとは思わない」。
げっ、それってやっぱせいりょーいんじゃないか。